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本の読める店「fuzkue」に行ってきた
先日、本の読める店「fuzkue」に行ってきました。
とても面白いお店でしたので、感想を書かせていただきます。
読書が趣味の方は普段どんな環境で本を読んでいますか?
私は自宅のデスクか、カフェか、あるいは通勤電車の中が多いですね。
しかし、そのいずれも読書への集中を阻害すること(音、光、揺れ、臭い)が起こりかねません。むしろ頻繁に起こるといってもよいでしょう。
「fuzkue」はそういう心配をせず心置きなく読書を楽しめる、いわば読書家のオアシスなのです。
では実際にどんなところなのか、みていきましょう。
京王線初台駅の南口から徒歩20秒、公式HPにそう記載があり、実際にあっという間に到着しました。
看板はこのような感じです。
なるほど、こだわりの強そうなお店です。少しだけ不安を抱きながら2階のお店へ上がっていきました。
しかし、重たいドアを開けると、そこには完璧な空間が。
暑くもなく寒くもない室内。邪魔にならない適度なBGM。
皆が窓向きの席に座ってひたすらに本をめくっている空間。
カウンター席とソファ席があり、ソファはそれぞれ異なる趣のつくりをしていました。
空いている好きな席に座るよう案内されたので、私は一番大きな柔らかそうなソファに腰を下ろしました。
ソファに体を埋め店内をキョロキョロ見回していると、店員さんが冊子を持ってきてくれました。
その冊子は単なるメニュー表ではなく、この店を楽しむための約束ごとが書かれていました。
内容はHPで全文公開されているので詳細は各々で確認していただくとして、ここではその全体の印象についてのみ記しておきます。
要するに、全てのお客さんが読書を楽しむための配慮なのですが、その配慮が非常に細かく、かつ嫌な感じのしない納得の内容でした。
ひとつだけ具体例を挙げるとすれば、ボールペンの使用について、使用すること自体はOKだが、ノック音に注意してほしい、また、書くことをメインにした活動も控えてほしい、といった具合です。
また、このお店の面白い点として、独特の料金システムが挙げられます。
客側が気兼ねせずとことん読書を堪能する(つまり店側にも負担がかからず、結果として居心地の良い空間を創る)ため、時間制とオーダー制の合わせ技のような料金システムを導入しています。
例えば、食事+ドリンク2杯の注文で2時間読書した客と、ドリンク1杯のみで2時間読書した客とでは、あまり料金に差が出ないように設計されているのです。
これは、このお店が単に商品を提供するのではなく、「快適に読書をする空間」を提供しているのだと捉えるとしっくりくるものです。
なるほど、これなら冷やかしで来るような客を遠ざけることができるわけです。
いけない、よくできた冊子に気を取られ注文を忘れていました。
でも大丈夫。このお店では注文をせかされるようなことはありません。
本当にゆっくりとした、素晴らしい時間が流れているのです。
けっきょくこの日、私は4時間ほど滞在して思いっきり小説を読み、ケーキとコーヒー2杯でだいたい3,000円くらいの支払いでした。
高いと感じる方もいらっしゃると思います。
しかし、雑音のない読書のための空間で読む本は、没入感が違います。やみつきになりそうです。
私は是非ともまた利用したいと思います。
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