来年の今頃は
先月、夫と札幌旅行に行ってきた。画像は北大にいた野生のキタキツネ。観光客に囲まれ写真や動画を撮られてもまるで動じない、観光客慣れしたキツネだった。
2人でテレビを見ていて「札幌で札幌ラーメンが食べたい」という話になったのがきっかけだった気がする。札幌で札幌ラーメンを食べるための旅なので、ホテルに荷物を置いたらまずラーメン屋に向かった。札幌ラーメンが味噌味なのは知っていたが、食べてみるとただの味噌味ではなく生姜が効いている。寒い北海道ならではの、温まる味。首都圏には札幌発の有名店がいくつかあり、北海道まで行かずとも札幌ラーメンは食べられるのだが、この味の意味は札幌の雪の中で並ばないと気付かなかったと思う。行ってよかった。
お互いの仕事の都合だけで旅行の日程を決めたのだが、調べてみるとちょうど雪まつりの時期でもあった。これは行かねば！ということで、半日ちょっとかけてすすきの・大通りの会場を全部まわってきた。
すごいね、来てよかったねと言い合いながら歩いていると、夫がふと「来年の今頃はこういうの難しいだろうからな」と言い出した。どういうこと？
「子供が生まれたら、2人でゆっくり旅行するのは難しいだろうから」
「次は子供が大学生になってからかな」
まだに妊娠もしていないのにその先、しかも20年先のことを気にしているなんて、鬼も笑いすぎて窒息するんじゃないだろうか。以前から、妊娠もしてないのにこういう話をするとかえって妊娠を遠ざけると思っていたし、今もなんとなくそう思っているのだが、この時はそんなに嫌な気持ちにはならなかった。夫もまた、子供が欲しいと思ってくれている。同じ希望を持っていることが、この時は嬉しかった。
来年の今頃は家族旅行でもいいと思うんだけどな。
ちなみに子供を欲しがっている夫だが、「ぴのこが周産期の合併症で死んでしまうかもしれない」という不安も常にあるようで、定期的に「ぴのこが死ぬくらいなら子供いなくてもいい」と泣きついてくる。だからまだ妊娠もしてないんだってば。
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