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ひとつずつ

刀ミュ「すえひろがり乱舞野外祭」のライビュに行ってきた。一度は現地のチケットも取ったのだが思ったよりも体調が安定せず、いくら整備された施設とはいえ慣れない山にバス遠征というのはリスクが高いと判断して断念したのだ。家で配信を見ていた時もそうだったが、赤子はエタフレでやたら反応していた。好きなんだろうか。現地に行かない選択に後悔はないが、政宗公の生歌を聞けなかったことだけが心残りである。伊達双騎再演ずっと待ってる

息子の先天性心疾患を知らされた翌日。わたしは朝から仕事に出ていた。この日は諸事情が重なってものすごく忙しくて、おかげで息子のことをあまり考えずに済んだ。仕事の合間、たとえばエレベーターで1人になった瞬間など一瞬泣きたくなるが、病棟に入ると自然と仕事スイッチが入る。仕事しててよかった。

少なくとも、産まれて数年は息子の治療が優先で、わたしはフルタイムで働くのは難しいだろう。家計を支えるためにはいつか常勤復帰したいがそれは先の話、しばらくは夫の休みに合わせて月に1回か2回バイトができればいい方か。せめて産まれるまでは、身体を壊さない程度に全力で働いて、お金も経験も貯められるだけ貯めておきたい。めそめそしている暇はないのだ。息子よ、お母ちゃんは忙しいんだよ。

一方、この日休みだった夫。休憩時間にスマホを開くとめそめそしたLINEがたんまり来ていた。しっかりしなさいよと思われるかもしれないが、夫の性格上、こういうときは気が済むまでめそめそさせた方が後々の受け入れがスムーズになる。適当に返信しながら様子を見ていたら、午前中こそめそめそしていたが午後からサウナに行って多少気持ちの整理がついたらしく、わたしが帰宅すると「転院先を探そう」とスマホで近隣の大学病院を調べていた。それなりに珍しい疾患なのでどこも手術件数は多くないが、その中でもなるべく人手と経験がありそうな施設。出産時の母体のトラブルも院内で完結できて、そして出来ればうちから近い、何かの時にタクシーでも行けるところ。夫なりに、息子の病気を受け入れようとしているようだった。

さらに翌日。寝起きのわたしが仮の名前で息子に呼びかけていると、隣にいた夫が「名前考えないとね」と言い出した。仮の名前は平仮名だが歴史上の偉人と同じ音で、これはこれでかっこいいと思うのだが、その偉人が若くして亡くなっている点が少し気になる。試しにその偉人の字をあてて姓名判断サイトに入力してみると、凶と大吉が混在し、波乱万丈な人生になるとのこと。病気というだけで波乱万丈が約束されているのだから、名前くらいは穏やかなものにしてやりたい。誰でも書けて読めて、渋すぎず華やかすぎず、息子がどう育ってもそれなりに違和感なく名乗れそうな名前。夫は「ちゃんと育つような字を入れよう」「字画もそこそこ、大吉じゃなくても吉くらいは欲しい」などとぶつぶつ言いながら、名付け辞典のサイトと姓名判断のサイトを行ったり来たりして、30分経たないくらいでひとつに絞り込んだ。わたしはわたしでいくつか考えてみたが、自分や夫に似た子が名乗るには少々スタイリッシュすぎたり、字画がオール凶だったりして、夫が考えた名前よりよさそうなものがどうにも思いつかない。ググってみると似た名前の有名俳優ばかりが引っかかるが、とりあえず同名の犯罪者等はいなさそうだった。

これは人によるかもしれないが、つらいことや想定外のことを受け入れるには、具体的にやるべきことを並べてひとつずつ片付けていくのが一番いい。手と頭を動かすことで気を紛らわすというのもあるが、分かる範囲で先の見通しを立てたほうが不安も減るように思う。なにより、こちらがめそめそしていようがお構いなく息子は育って産まれてくるのだから、きちんと準備して迎えてやりたいのだ。

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