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新設:福島県立安積中高一貫校の可能性について考察[福島の教育再開発]

県立安積高校中学校の説明会が行われたようだ。進学を目指す中高一貫としては会津学鳳に続いて県内2校目か。

併設される中学校の母体の高校は県内屈指の進学校、安積高校ということもあり、60名の定員全員が安積高校へと入学することになる。

県立安積中学校は、医学コースの新設や次代の福島、日本、世界を担うリーダーを育成するという方針で、今までの県内には無い、新しい取り組みが目立つ。福島県唯一の、まさに県を挙げた取り組みと思われる。

驚いたのが、募集は県内全域となることだ。
安積中学校の説明会は、郡山市の他にも、県内各都市で行われるということだ。

福島県は現状、高校の学区制を敷いている。会津、県北(福島市近郊)、県中(郡山市近郊)、県南(白河市近郊)、いわき、相双ですが、各地区に進学校がある。

福島県というのは歴史的にも合併で出来上がった県であり、各地区が緩くまとまった連合体のような県で、それぞれの地区で将来を担うリーダーを育成しようという土壌が根強く残っている。

今回の県立安積中学校は、県の中央にある郡山市のトップ校、安積高校に併設され、県全域から募集する。これは福島県の歴史からすると革新的だと言える。

ここから考えられることとして、福島市や白河、会津といった、郡山市に比較的近い都市圏の学力上位層の小学生が一定数受験するであろうというということだろうか。

受かった際、親子で郡山市に引っ越すようなことも少ないとはいえ考えられる。
子育てを機に、他都市ではなく安積中学やその他の進学先の選択肢が多い郡山市に住む世帯も一定数生まれるかもしれない。

各都市には現在、進学校が存在するが、県立安積中学の誕生によって、進学校の勢力図や都市圏の人口動態も緩やかに様変わりしていくかもしれない。これによって県内、特に県中の小学生は今までより勉強に目を向けるいいきっかけとなり、福島県の教育に与える影響は大きい。まさに教育の再開発だ。

他県に比べ機能が分散した県であり、各地域が人口減少、少子高齢化による人口の県外流出が問題となっている。

県民があらゆる選択肢を欲した時に郡山市にその受け皿を集中できるかが、これからの福島県政に期待されることではないか。

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