敷金は戻ってきますか.....?【前編】
ついに「敷金」( 以下Security deposit)について書く時がやってきました。
日本でも敷金、礼金の返却問題は一時期世間を賑わせていましたが、
それはフィリピンでも同様です。
単刀直入にいいます。
「Security deposit」は戻ってきます!!
しかし、フィリピンで部屋を借りている方、企業さんの多くは
戻ってこない現実と戦っているはずです。
では早速、不動産屋が触れて欲しくない闇の部分を見ていきましょう。
「敷金」( Security deposit)とは?
契約期間中に滞納があった場合の家賃債務や、部屋を損傷させた場合の修理費の担保として、先に預けておくお金です。
日本では敷金無しの物件もありますが、フィリピンでコンドミニアムを借りる場合、「家賃の2ヶ月分」の敷金が必ず必要になります。
退去時に必ず引かれる3つの項目
どんなに部屋をきれいに使っても、この3つだけは必ず費用が掛かります。
1. 部屋の清掃費用 ( General cleaning)
2. エアコンの清掃費用 ( Air con cleaning)
3. グリストラップの清掃費用 ( Grease trap cleaning)
勿論、これ以外にも”スプーンが1つ無くなりました” ”床に傷がありました”などでそれぞれの費用が引かれることはあります。
エアコン清掃費用はおよそ1,000~1,500ペソ/台、グリストラップは800ペソぐらい。
部屋がかなり汚い場合はGeneral cleaning ではなく、Professional cleaningという清掃のプロの依頼することもあります。
それでも費用は5~6,000ペソほど。(※部屋の大きさによります。)
誰から戻ってくるものか?
日本では不動産会社から部屋を借りることが一般的です。そのため、Seurity depositも不動産会社経由で戻ってきます。
フィリピンでは上のケースの他に、Security depositを預かっているオーナー本人から直接戻ってくるケースがあります。
なぜ返ってこないのか?
ここから少しヘビーな話をします。
本来であれば修繕費用を差し引いた分は必ず戻ってくるSecurity deposit。
しかしフィリピンでは返ってこないことが度々あります。
何故、返却されないのでしょうか??
この謎を説明するには物件紹介時まで遡る必要があります。
不動産会社がお客さんのご希望に合う物件を調査する場合、2通りのパターンがあります。
①信頼できるオーナーや個人ブローカーから部屋の情報をもらう。
②インターネット掲示板から掲載者に直接連絡をとる。
①の方法は不動産会社にとって、非常に安心できる調査方法です。
何度も同じ部屋をお客さんへ紹介することにより、不動産会社とオーナーやブローカーの信頼度も高まり、始めから最後までお互いがスムーズに動くことが出来ます。
問題は②の方法です。
ネット掲示板に掲載している人は個人ブローカーが多く信頼性が欠けます。
このような個人ブローカーはお金欲しさに入居までは一所懸命頑張ります。しかし退去や中途解約に伴う返金が生じた場合、態度が一変し連絡が取れなくなることが頻繁に起こります。
事務所も構えていないため、連絡が途絶えると不動産会社はどうすることも出来なくなり結果、お客さんへSecutirty depositの返却ができない状態に陥ります。
であれば、①の方法で部屋を探せばいいじゃない?と思われるかもしれませんが、それが出来ない事情があるのです。
信頼と経験
「信頼」
良いオーナーやブローカーを見つけることは容易いなことではありません。
殊、フィリピンに置いては「信頼できる人」を見つけるのは至難の業です。
何度も繰り返し取引をする。不動産会社はテナントのみではなく、オーナーもフォローをする。
このように地道に少しずつお互いの信頼関係を構築します。
また日本人は部屋をきれいに使ってくれるという事実も理解してもらえれば
オーナーにとって日本人のお客さんを連れてきてくれる良い不動産会社と
いう評価をもらえます。
「経験」
ここでいう「経験」とはオーナーがSecurity depositを返却した方が得と思えような交渉術や危険を察知することを指します。
オーナーにとって、外国人のテナントはいずれ自国に戻る人たち。
一度国に戻ってしまえば、Security depositを返却しなくても裁判等で訴えられることはほぼありません。
なぜなら、
”Security depositの総額 < 弁護士費用や裁判資料などを揃える時間”
”フィリピン国内での裁判で外国人が勝つことはほとんどない”
からです。
ここまで書くと「やっぱり取り戻すのは無理!」と見えますが
そんなことはありませんのでご安心ください!
次回後編でははどのように返却してもらうかについて見ていきましょう。
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