見出し画像

憧れのメイドさんとの生活?! ”苦難の日々”【後編】

前編ではメイドさんとの間に起こった問題の原因と改善について、
「優しさ」が国や個人毎に異なるお話をしました。

後編では更に驚きの問題、そしてメイドさんが辞めていった流れについてお伝えしていきます。


今回は改善策はズバリ

「新しいメイドさんを探す」

結果としてこのメイドさんの件は僕にとって一番の問題解決方法でした。



それでは後編へ進みます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

メイドさんを雇う時、必ず事前に伝えることがあります。

『給料の前借りとお金の貸し借りは禁止』


何故、事前に決めておくのか。

それはこの手のお願いが一番多いからに他なりません。
一度オッケーを出すと高確率で同様のお願いが続きます。
そして貸したものはほぼ返ってくることがありません。

ですので、僕と奥さんとメイドさんの間では始めからビシッと決まりを作っていました。


問題3 『責任放棄』

メイドさんを雇った際、家事の中での最優先事項は「1歳になる息子のケア」

これは仕事の中でも一番大変で、特に「赤ちゃんのケア」となれば心身ともに疲れて他の事が出来なくなるほどです。
メイドさんには「赤ちゃんのケア」を一番に考え、それ以外のことは余力が無ければしなくても良いと伝えていました。

また緊急事態に備え、携帯電話も用意し、何かあれば必ず僕か奥さんに連絡をするようルールを作りました。

この時、家にはまだ義理母(以後ママ)もおりメイドさんは掃除や洗濯などの仕事をしてくれていました。


ある日、

僕と奥さんが帰宅すると家にはママと息子しかいません……

ママに確認すると、

「問題が起こったので今日中にバランガイの事務所へ来るように」

と地元のバランガイからメイドさんへ連絡があったそうです。
※バランガイとはフィリピンの町を構成する最小の地方自治単位、
  日本でいう町内会を更に強くしたものです。


100歩譲ってこれが本当だとしても、何かあれば僕または奥さんに連絡をする件はどうなったのか?
今回はママがいたから良かったものの、いなかったら息子を一人にしたのではないか?

ここでメイドさんへの信頼はほぼ無くなります。

そして極め付けは

「義理母からお金を借りたこと」

僕達からは借りられないとわかり、何も知らないママにお願いをしたことで僕も久々に怒りが込み上げてきてしまいました。

数日後、戻ってきたメイドさんに対し、今回の件について問い詰め二度としないように釘を刺したのは言うまでもありません。

ただ前編でも言いましたが、本来は怒る必要はなく、すぐに新しいメイドを見つけるのが正解です。(この時はコロナ真っ最中でメイドを探すことができず、僕らも彼女に執着をしてしまいました。)


問題4 『逃走』

僕に怒られてからしばらくしたある日、仕事へ帰宅をするとメイドさんが大粒の涙を流しながら自分の荷物をまとめています。


驚いて奥さんに話を聞くと彼女のお母さんがお風呂場で頭を打って亡くなったので、葬式のため自宅に帰ると言っているとのこと。

この話を聞いた時にまず僕が思ったこと。
「かわいそう」
おそらく多くの日本人は僕と同じように思うでしょう。

しかし奥さんは違いました。
「うそをついている」
一緒に生活をしていて、実家でメイドも雇っていた経験から99%の確信があると僕に話をしてくれました。

正直、何が本当なのかわかりません。


奥さんの話は100%信じる。
ただ身内が亡くなったと言っている以上、万が一の可能性も考えなければいけない。

この件は僕に任してもらえるよう奥さんを説得

自宅へ戻る許可を出すことに。
なんならバス代などの1,000ペソ(※2,200円)も彼女のカバン脇にそっと置いてあげました。


しかし、荷造りを始める彼女を見て違和感を感じます。
全ての荷物をバッグに詰めているのです。

ここで奥さんの言葉が蘇ります。


「うそをついている」


疑惑が確信に変わりました。


二度と戻って来ないつもりだ。

普段なら騙そうとしたことに対して怒りが湧いてくるのですが
この時は不思議とそのような感情はなく、心が晴れ晴れとしたのを覚えています。

スクリーンショット 2021-07-09 午後2.03.32

これからはルールの確認や子どもの世話のチェックも必要もない。
イライラすることも怒ることもない。
奥さんや子ども、家のケアは全部自分達でできる。

実際、家の事全てを働きながらやるのは物凄く大変ですが、この時は
「こんな素晴らしいことはない!」と感じるまでに僕はストレスを抱えていました。

奥さんも同じ気持ちだったようで、
「嘘をつく人に息子のケアをして欲しくない。いなくなって良かった」
とホッとしていました。

余談

メイドさんが我が家から去った後、その人を紹介してくれたメイドさんと話をしました。(二人は同郷でお互い近所だそうです。)
そしてお母さんが死んだことが嘘だと教えてくれました。

驚いたことに二週間後、辞めたメイドさんから連絡がありました。


「私の娘がメイド出来ますよ。どうですか?」


これ実話です。


どうして連絡しようと思ったの?
どうしてあなたの娘さんが働けると思ったの?
どうして?どうして?どうして?

と考える必要はありません。
このような事はよくある事です。


フィリピンでは多くの家で、メイドさんが働いています。
もちろん日本人の家にもいます。

人間ですから相性は必ずありますし、僕のように生活に支障が出るようであればいない方が楽な場合もあるでしょう。

だからこそ良いメイドさんを見つけることが生活の質にも関わってきます。


次回は「どのように良いメイドさんを見つけるのか」についてお伝えしていきます。

それでは。


#海外生活 #メイド #文化の違い #諦める #驚き




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?