憧れのメイドさんとの生活?! ”苦難の日々”【前編】
海外駐在員の方とお話をすると、よく話題になるのが「メイドさん」の件です。
特にフィリピンはメイドさんが世界各国に出稼ぎにいっており、メイド天国とも言えます。
しかし、メイド文化がない日本人はどんな人が良いのか、どう接すれば良いのかがわからず何人も交代することになります。
そこで本日は”メイドさんについての失敗と改善”について
僕の実体験を元に話していきます。
そして今回のポイントはこちら。
「優しさとは??」
実際の話に進む前にどのような経緯でメイドさんを雇ったのか経緯をご説明します。
住み込みメイド 一人目 60代女性
〜雇用経緯〜
コロナ禍で義理母が別の島から我が家へヘルプに来てくれていたが、家に帰らなければならないとのことで、急遽メイドが必要になる。
同じコンドアパートメント内で台湾人の元で働いているメイドが知り合いがいると連絡をしてくれ、時間もないためその人に決める。
当時、僕は人生で初めてメイドさんを雇い、一緒に住むということで、どのように接していくか日々考えていました。
ある人は「家族のように接した方がいい」、ある人は「感情はいらない」など様々な意見があり、我が家もしっかりとした方針を決めなければなりませんでした。
奥さんと連日話した結果、二人とも”人を顎で使うようなやり方はしたくない”ということで、「家族に近い関係性」で働いてもらうことになりました。
我が家に到着後、初めての顔合わせ、そしてミーティング。
契約期間やお給料の他に軸となる我が家の方針
「メイドさんは家族に近い存在」・「大切な人」
であることを丁寧に説明。わからないこと、困ったことは遠慮なく聞くように話をしました。
働き始めて2週間ほどメイドさんの性格や働き具合を観察するといくつか気になる点が出てきました。
問題1 『反抗』
メイドさんは田舎育ちで英語が少ししかわからず、タガログ語がメイン。必然的に奥さんが中心となり、メイドさんへ指示することになります。
しかし奥さんが年下ということもあり、指示されたことをやらないなどの行動が頻繁にありました。
僕から何度も注意をしますが、次の日から同じことの繰り返し。
この問題は最後まで続き、大きなストレスになりました。
そしていつも「家に帰りたくない」と思うようになりました。
問題2 『保身』
頻繁に食器類を壊したり、服をダメにしてしまうメイドさんでした。
こんな時、皆さんならどうされますか?
僕は怒ってもしょうがないので、次回はどうすれば改善できるかいつも話し合いの場を持ちました。
「起こってしまったことはしょうがない」
「次回からはちゃんと報告してね」
と話をするも、毎回改善されません。
自分に不利になることはひたすら隠し続けました。
原因
これらの件に共通している過ちは雇用主側の「優しさ」です。
よりわかりすく言えばフィリピン文化に則した優しさで対応できなかったことです。
1の『反抗』について見ていきしょう。
メイドさんとの初対面で「メイドさんは家族に近い存在」・「大切な人」と伝えています。
これは大きな過ちでした。
フィリピンは階層社会であり、上下関係がはっきりしています。
上司が間違ったことをしても部下に謝ることは基本ありません。
お互いを知る前から雇用主である僕らがメイドさんの位置まで下がったことにより、メイドさんは自分の立ち位置を勘違いしてしまいました。
それでは2の『保身』についてはどうでしょう?
次回同じことが起こらないよう、怒らずに一緒に解決案を探してあげたつもりでしたが、彼女にとっては大きなお世話。
そもそも本人にとって解決するつもりはなかったので、僕の対応は間違っていました。
自分が相手を為を思いとった行動が、相手にとっては迷惑になることはよくあります。
今回も僕の価値観でとった行動が、メイドさんにとっては全く違うものであるという事をすっかり忘れた結果、このような 悲しい結末になってしまいました。
改善
『反抗』について
これについては問題がはっきりしているため、明確な対応が可能です。
メイドさんが働きやすい環境を整えるために、まずはどんな人か最低1~2ヵ月は様子をみる必要があります。
その上で、フィリピン流にするかアレンジしても対応できるのか、
僕たち雇用するサイドが決めればいいのです。
今回はフィリピン流に立場の違いをはっきりさせていれば、ある程度は防ぐことが出来ていたと思います。
『保身』について
方法は2つあります。
1)壊したり無くした場合の責任の所在や賠償についてもはっきり伝え、緊張感を持って仕事に取り組んでもらう
2)1が難しそうなら違うメイドさんを探す
最低限のルールを決めることで、白か黒かを誰にでもわかりやすくします。
その上で、このルールが守れないようであれば、メイドさんの考え方を変えるよりも、ルールを理解してる新しいメイドさんを雇う方が早いです。
また、メイドさんが壊したものを賠償をすることはほとんど不可能ですし、クビにすることを事前に伝えると、違うリスク(お金を盗むなど)が伴いますので、速やかに新しいメイドさんを雇うことをおススメします。
日本人は優しい方が非常に多いため、相手のために日本流の「優しさ」で対応される場面を多くみます。
その対応は世界基準で見ても素晴らしいと僕は常々思っています。
しかし、国が違えば文化や慣習も異なり、日本人の「優しさ」が時には相手を不幸にしてしまうことも目の当たりにしました。
今回は海外生活におかる「優しさ」について、僕の考えを書きました。
次回、後編では僕がメイドさんに騙された件について書いていきます。
それでは。
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