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【2023年最新版】ビーフカレーの説明書

オープンから作り続けているビーフカレー。
毎回アレコレ改良を重ね、今現在最も納得のいく作り方を公開します。
ネタバレしちゃいます。

ただレシピを公開する。というより考え方を公開するといった感じです。

なぜこれの材料を加えるのか、なぜこの調理法なのか、レストランの裏側というか、たかがカレーになぜこれだけの手間暇をかけるのか。

ちょっとでも興味もっていただけたら、ぜひお店に足を運んでほしいです。
そのきっかけでいいです。
難しく考えず純粋にレストランでの食事を楽しんでほしいです。

数年前コロナ禍で不要不急と言われてだれもお店に来なかった時期を知っています。
家族で来たのに会話もできず、アクリル板で仕切られた、あの異常な世の中を経験しました。

家族や友だち、恋人と一緒にテーブルを囲んだり、職場や家庭から離れて1人で食事に向き合える場所ってホントに不要不急だったのか疑問でした。

でもいまお店に来てくれる人の顔をみて自分のやってきたことは間違いじゃなかったと心から思っています。

またいつか未知の感染症や戦争が起こるかもしれません。

なので人生に飲食店って必要だよねって料理を通して証明していけたらいいなと思いまーす!

ちょっと熱くなっちゃいましたが、ただのふつうのカレーのレシピ、読んでみてください!

【材料】

「ブイヨン」
牛すじ(良質なもの)2kg
鶏ガラ、手羽先 2kg
玉ねぎ 2個
にんじん 1本
セロリ 1本
にんにく 2株
野菜くず
タイム
黒胡椒
水 10ℓ

「牛の煮込み」
牛バラ肉(脂が美味しいもの、ここだけはケチらない) 4kg
赤ワイン 3ℓ
ブイヨンの2番
玉ねぎ 大1個
にんにく 1株
蜂蜜 30g
醤油 15g
トマトペースト 20g
カシスリキュール
アニス、クローブ、カルダモン、ローリエ

「カレールウ」
牛脂 200g
にんにく 200g
生姜 300g
小麦粉 150g
カレー粉(クミン、コリアンダー、ブラックペッパー、クローブ、メース、カルダモン、シナモン、花椒、パプリカパウダー、カイエンペッパー)300g

「野菜ペースト」
玉ねぎ 6kg
クミン
シナモン
にんじん 2kg
セロリ 500g
パイナップル 小1本
リンゴ 5個
バナナ(よく熟れたもの) 3本
トマトペースト 200g
(季節によって柿や洋梨、オレンジ、マンゴー、ブルーベリー、ココナッツ、などをいれることもあります。)

「仕上げ」
(ガストリック)
グラニュー糖
シェリービネガー

ウスターソース
オイスターソース
フルーツチャツネ
きび砂糖

深煎りのコーヒー
チョコレート、カカオパウダー
バター
キャラウェイシード
カシスリキュール


【ブイヨン】

①牛すじ、鶏ガラや手羽先などを香ばしく水分を抜くようにオーブンで焼く。
だいたい150°くらいの温度で1時間ほど水分を捨てながら焼いた後、120℃くらいに温度を下げて水分を抜くように2〜3時間焼く。
途中半割りにしたニンニクを加えて香りを纏わせる。
(牛すじの水分がなくなり、透明な脂が出始めたらそれらは捨てずに残しておく。)

②水分が抜けてカラカラの状態になり、表面は深い焼き色がついたら寸胴に移し、水を加えて沸かす。最初の灰汁はとるが、しっかりと水分を抜いておけばほとんど出ないはず。

③野菜も肉と並行して焼く。
焼くというよりこちらも乾かすように120℃くらいの温度で1〜2時間を目安に。
天板に重なると煮えてしまうのでちょうどいいサイズを選ぶこと。
調理中にでる野菜くずなども乾燥させる。
トマト、マッシュルームやしめじなどキノコもいれると味に深みがでる。
旨みが凝縮されたタイミングで②の鍋に入れる。

④95℃くらいの温度をキープするようにするが、決して沸かさないこと。
対流が起きると油分が混ざり、味がこもる。
腐敗もしやすくなる。
コンソメ程ではないが、できるだけ澄んだスープを目指す。

⑤ハーブ類(タイム、パセリの軸、セロリの葉、ローリエなど)は出来上がりの10分くらい前を目安に投入する。
紐で縛る必要はない。
ハーブティーを煎じるように。
長い時間煮るとエグ味がでるため。

素材の水分を飛ばすことで澄んだスープになる

⑥十分に液体に旨みや香りが移って、出し殻を食べてみて味がなくスカスカになったら火を止めて5分ほど置いて対流を落ち着かせる。
その後静かにシノワでパッセする。
この時シノワに黒胡麻を挽いたものを20回しくらいしておくと胡椒のいい香りだけが液体に移る。

⑦目安の液量まで煮詰める。
脂は多少残っていてもいいが乳化させないように。
すぐ使わない場合は急冷する。

⑧2番出汁は牛の煮込みにつかうのでかぶるくらいの水で1時間ほど抽出する。

point
①素材の水分をしっかりと抜き、旨味を凝縮させる。
それらを水分に移すイメージ。
また長時間煮ることで複雑な風味を与える。

できるだけ濁らないように丁寧に扱う。
出来上がりの時間から逆算して肉、野菜、ハーブ、スパイスの順に加えエグ味が出ないように気をつける。
完成したらそのまま飲んで美味しいこと。

【牛肉バラ肉の煮込み】

①牛肉はおよそ8〜10㎝角くらいにカットし、1%の塩で一晩マリネしておく。
余力があれば香味野菜、ハーブと共にマリネする。

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