見出し画像

逃げる夢。
飴玉を噛み砕く。
甘い砂糖の味が
奥歯に、舌の根に染み込む。
それはズンと重く
片仮名の痛みに変わる。
やがて砂糖は喉へとながれ
また広がり
胃を満たしていく。
その感覚をまた味わいたくて
もう一つ袋を破り、口の中に放り込む。
ガリッガリッガリッ
と砕ける音がする。
そして甘さによる片仮名の痛み。
それら飲み込み、胃が満たされていく。
直ぐに砂糖の味は無くなってしまう。
もう一度、もう一度。
追いかける、痛みへ。


#シロクマ文芸部

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?