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ずっとマイノリティだった

自分は同級生達と同じように働き
同じように出世し
同じように家庭を持って
同じように家事は誰かかがする中で
生きていくと思っていた

いつからかそれが自分の未来ではないことに気付いて
それは能力が足りないからだと思った
能力さえ上げれば同じようになれると疑わなかった
だけどどうやらそうではないということに気付くまでにずいぶんと時間がかかった

それは一度の結婚と一度の婚約破棄の時間だった

思春期に妊娠出産に対して肯定的になれず母親に聞いたことがあった
お母さんの生きがいって何
そうしたら子供かな〜と母親は言った
その言葉で私は妊娠出産に対して嫌悪するようになった

思春期だったから私は家族以外のキラキラしたものがたくさん手の中にあった
うぬぼれていた
ナルシズム全開だった
気持ちよい全能観に溺れていた
このキラキラしたもの全部いつかは消えてしまうとしても
その理由が妊娠出産だなんて絶対に嫌だった

今思えば母親への確固たる信頼もあった
明るくてなんでもこなす人だった
そんな人なのに
この人には今は子供しかなくなってしまったんだと
思ったら惨めだった
惨めに思うことも嫌だった

気付いたらフェミニズムがそこにあった
私の生きたい生き方はこの身体で区分された性別とはマッチしなかった
そして大変残念ながらそのような思春期真っ盛りに健常者という立ち位置も失う
望んだ生き方はできなくなった
そして女として生きる逃げ道も失った

私が性的に過剰に女性的であるのは生き延びる手段であったとも思う

ただ集団の中で一人
少ない情報を死に物狂いで探し当てて社会と繋がるしかなかった
飯を食うために
それがマイノリティという生き方だった

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