カバー屋の妻②
前回の「カバー屋の妻」だけを読むと、「なんて酷い男なんだ」と思われそうなので、今回は、ちょっと別の視点から書いてみる(汗)
苦労ばかりかけているのは確かだけれど、家内も結構自転車、そしてカバーホイールが好きだ。運動神経が鈍い彼女だけれど、ホイール径の大きなママチャリから、カバーホイールを履かせたミニベロに乗り換えた時の速度差に驚き、魅了されたようだ。だから、普段は忙しくてほとんどミニベロに乗らないけれど、カバーホイールの特性を非常によく理解しているし、プロトタイプの新作カバーホイールを作っている時などは、工房をのぞき込んで、あれこれと訊いてきたりもする。
一般的に大径ホイールの自転車よりバランスのとりにくいミニベロで、3本ローラーにも乗る。また、STRAVAという各地にセグメントと呼ぶ区間を作り、そこを通過したら自動的に自分のタイムと、順位を出してくれるソフトがあるけれど、とあるセグメントで3位トロフィー(区間通過10位まで)を獲得した途端、俄然、トレーニングに熱が入ったり…。
家族が、自分の仕事に関心を持ってくれるということは、本当にありがたいと思う。どのような仕事にもオフがあるように、ものづくりを生業とする職人にもオフはある。家族は、オンもオフも傍で見てくれている。だからこそ、現実的なアドバイスが出来る。ミヤノカバーワークスの経理関係を担当してくれている妻のアドバイスは、ある意味、誰よりも信頼できるものなのかもしれない。だからもし、ミヤノカバーワークスを閉じる日が来るとしたら、それは、妻が終了のホイッスルを吹く瞬間だと僕は思っている。
そういえば、「誰かに引導を渡すとき、人は優しくなる」と聞いたことがある。そして最近、妻が異様に優しい。はたして…?
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