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バーテンダーは"黒子"

BARの主役はバーテンダーじゃない

BAR。
それはお食事の前、はたまたお食事の後にアルコールと空間を愉しむ場所です。
適度なヴォリュームで流れるバラード、ぐっと落とされた照明、シェイカーの中で小気味良くリズムを刻む氷の音、その場を愉しまれているお客様たちの話し声…。
これらが渾然一体となり、極上の時間が創り上げられています。

この最高の舞台の主役は誰なのか?

無論、お客様です。

ワタシの持論というか、その思考じゃないとダメでしょう。
メイキングのときが特にバーテンダーの見せ場なんて言われますが、ワタシは特段そう感じていません。
スマートに、お客様に美味しいドリンクを提供することしか考えていません。
美しい所作を意識するのは決してナルシスト精神などでなく、空間創りに欠かせない要素のひとつ。
それだけです。

バーテンダーは黒子。
舞台の主役であるお客様に全身全霊のドリンクを提供し、そのあとは縁の下の力持ちに徹します。
空気を読み、シチュエーションに合わせてお客様をサポートし、辞去されるまでの時間を心地よくお過ごしいただく。
まさに黒子の責務です。

おひとり様ならば退屈しない環境を。
デートでご利用ならば、おふたりの邪魔にならないレヴェルで、痒いところに手の届くサーヴィスを。
これしかないと考えています。

その"舞台"は黒子で決まる

実際の舞台も、黒子の存在なしでは成立しません。
演者の動きを察知し、その前に行動に移してサポートし進行していく。
その繰り返しでクライマックスを迎えることができます。

ハッピーエンドか、はたまたバッドエンドか。
無論、前者であるのが前提ですが、スタンディング・オベーションを受けるほどの、感動すら与えることのできるサーヴィスが理想です。

さぁ、今夜も主役の舞台に立ってください。
黒子(バーテンダー)と共に最高の舞台を創り上げましょう。


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