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2016筑波大学/倫理/第三問

【2016筑波大学/倫理/第三問】

問三 以下の文章を読んで、モンテスキューの権力分立論の独自性とその後世への影響について論ぜよ。
「自由とは、法の許す限りにおいて、すべてのことを成す権利である。」(モンテスキュー)
(400字以内)

〈GV解答例〉
フランスの啓蒙思想家モンテスキューは、18世紀のイギリス議会政治やその擁護者であるロックの権力分立論に着想を得て『法の精神』を著した。彼の権力分立論は、王の執行権から立法権を分離し議会に帰属させたロックの二権分立論に比して、立法権・執行権(行政権)から裁判所の司法権を独立させた点、厳格な三権分立である点、三権の抑制と均衡による民衆の権利の擁護を企図した点に独自性がみられる。とくに特権階級支配が苛烈を極めたフランスにおいて、彼は司法のチェックによる自由の最適・最大化を図ったのである。彼の思想の影響を受け、1789年に勃発した仏革命に伴い発表された人権宣言は、権力の分立は権利の保障と並び立憲国家の存立要件であると規定した。また、独立後のアメリカの政体は彼の厳格な三権分立を最も色濃く反映し、立法府や行政府の出す法令の妥当性を憲法に基づき裁判所が判定する違憲法令審査権も彼の法思想の延長上にあると言える。(400字)


〈ChatGPTくんの答え〉
モンテスキューの権力分立論は、権力の集中が個人の自由を侵害することを防ぐために、立法、行政、司法の三権に分けて相互に制約し合うことを提唱しました。この理論の独自性は、権力のチェックアンドバランスを明確に示し、イギリスの政治体制を例に歴史的および比較的アプローチを採用した点、さらに地域の気候や風土、文化に応じた政治体制の多様性を認めた点にあります。その後、モンテスキューの権力分立論はアメリカ合衆国憲法に直接的に取り入れられ、フランス革命期の『人間と市民の権利宣言』でも重要視されました。今日、多くの民主主義国家がこの原則を基礎にした政治制度を採用し、権力の集中を防ぎ、個人の自由と権利を守るための普遍的な原則として広く定着しています。

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