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2024東北大国語/第二問/解答速報

【2024東北大学/国語/第二問/解答速報】

出典は久世光彦『向田邦子との二十年』。前書きに「作家の向田邦子と親交があった演出家・プロデューサーの久世光彦によるエッセイ「おしゃれ泥棒」の全文である」とある。

問一 (語句の意味)

〈GV解答例〉
(1)理不尽な→道理に合わない
(2)律儀に→実直で義理がたく
(3)ゆくりなくも→思いがけなくも


問二「いま思えば、ボールペンや鉛筆に見向きもしなかったのが私の不運だった」(傍線部(ア))とあるが、それはなぜか。本文の内容に即して30字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
向田に奪われるのは、良い具合まで使い古した万年筆だったから。(30)

〈参考 S台解答例〉
万年筆に執着し使いやすく育てたばかりに奪われるに至ったから。(30)

〈参考 K塾解答例〉
万年筆を書きやすくするまでの手間と時間を負わされていたから。(30)

〈参考 Yゼミ解答例〉
万年筆を使い続けたせいで、何度も奪われることになったから。(29)

〈参考 T進解答例〉
時間をかけて自らなじませる必要のある万年筆を奪われるから。(29)


問三「私が向田さんのことで泣いたのは、たぶんこのとき一度だけである」(傍線部(イ))とあるが、この時筆者はなぜ泣いたと考えられるか。本文の内容に即して80字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
向田の亡くなった年、追悼誌に写り込んだ向田に奪われた三本の万年筆を見て、その時々の向田との交流が思わず記憶に蘇るとともに、今後何も奪われないことを実感したから。(80)

〈参考 S台解答例〉
向田さんの遺品を撮った写真の中に自分が奪われた万年筆を見つけ、今は亡き彼女にもう何も奪ってもらうことはできないことを改めて実感し、深い喪失感に襲われたから。(78)

〈参考 K塾解答例〉
向田さんの遺品を撮った写真の中に自分から奪っていった万年筆三本を見つけ、その時々の向田さんとの思い出が次々とよみがえり、彼女の不在が実感として迫ってきたから。(79)

〈参考 Yゼミ解答例〉
遺品の中にかつて奪われた自分の万年筆を見つけたことで、それにまつわる向田邦子との思い出がよみがえり、彼女がこの世にいないという喪失感が一層かき立てられたから。(79)

〈参考 T進解答例〉
向田氏の追悼記事の写真の中に彼女に奪われた万年筆を見つけたことで、生前の彼女とのやり取りが思い起こされ、改めて彼女が亡くなった喪失感を募らせることになったから。(80)


問四「向田さんは、身軽で可愛いおしゃれ泥棒であった」(傍線部(ウ))とあるが、「おしゃれ泥棒」とは、どのような存在か。本文全体の内容を踏まえて40字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
一見、平凡に映る他人の話を奪い、それを難なく洒落た話に変えてみせる一流の語り手。(40)

〈参考 S台解答例〉
欲しいと思ったものは見事に手に入れるが誰も傷つけることのない軽快で憎めない存在。(40)

〈参考 K塾解答例〉
欲しいと思ったものは人から奪ってみごとに使いこなし、誰をも幸せにしてしまう存在。(40)

〈参考 Yゼミ解答例〉
自分が欲しいと思う物や話を人から自然に奪い、仕事へと鮮やかに活かしてしまう存在。(40)

〈参考 T進解答例〉
相手に配慮しつつその持ち物を奪いとり、自分のものとして見事に使いこなす存在。(38)


問五「お互いに、自分の頭の蝿を追いましょう」(傍線部(エ))とあるが、筆者は向田邦子のこの言葉をどのようなメッセージとして理解していたのか。本文の内容に即して60字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
人はそれぞれ他人には計り知れない内面の重さを抱えて生きており、その処理は各自に任せて、側から無理に意味づけすべきでない。(60)

〈参考 S台解答例〉
他人の幸不幸は分からないのでそれを語ることは無意味であり、自分の問題も深刻にならずにそれぞれがうまく対処していくべきだ。(60)

〈参考 K塾解答例〉
わかりえない他人の幸不幸をあれこれ邪推するのではなく、ささいな日常を大切に、人を喜ばせる自分の仕事をしていきましょう。(59)

〈参考 Yゼミ解答例〉
相手の抱える問題に対して余計な詮索をするのではなく、互いに自分自身の抱える問題と向き合って生きていこうというメッセージ。(60)

〈参考 T進解答例〉
他人がそれぞれに抱えている事情を無闇に推し量るよりは、各々が自身の関心に従って自分勝手に過ごす方が良いのだということ。(59)

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