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京都大学/国語(現代文)

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2020年4月の記事一覧

2020京大国語/第二問(随想)/解答解説

2020京大国語/第二問(随想)/解答解説

【2020京大国語/第二問(随想)/解答解説】

〈本文理解〉
出典は小山清「井伏鱒二の生活と意見」。前書きに「太宰治に傾倒していた作家、小山清による井伏鱒二訪問記の一節である。井伏は太宰の師匠であった」とある。
①段階。私が初めて井伏さんに会つたのは、終戦の年の春、太宰さんが甲府の奥さんの里に疎開したときのことであった。…その頃、井伏さんは甲府市外の甲運村に疎開してゐた。ある日、甲府の井伏さ

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2020京大国語/第一問(随想)/解答解説

2020京大国語/第一問(随想)/解答解説

【2020京大国語/第一問(随想)/解答解説】

出典は小川国夫の随想「体験と告白」。小川国夫は「内向の世代」の作家。京大は「内向の世代」からの出題が頻出で、近年でも16年の黒井千次「聖産業週間」、18年の古井由吉「影」(ともに小説) から出題されている。

〈本文理解〉
①段落。例えば戦争に関してだけど、体験をそれがあったままに語り得る人はまれだ。…
②段落。このことは戦争に限らず、すべての体験

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