女は水

女は真水だったのよ。
元々透明で無味無臭の真水なの。
それがね、色々な出会いと別れを繰り返してね、いろんな姿に変わっていくの。
愛する人と交わって、光が当たって綺麗な色が出てきたり、キラキラ輝く澄んだ水になったり。
愛で真水がさらに美しくなっていく。
水が沢山溢れて美しさを増やしてゆく泉になる。

だけれど、よからぬ相手と交わるとたちまち水の中がゴミだらけになったり、ドロドロ濁ってしまったり、寒すぎてカチンコチンに凍ったりしてしまう事もあるんだよね。

あれぇ、おかしいな。
私真水だったのに。
透明でサラサラ流れていたのに。

気づけば泥で身動きできない。
気づけば凍って何も感じない。

私はもう真水じゃない。
流れず固まってしまってる。

誰か、助けて。
私を真水に戻して。

でもそんな時に焦っちゃうとちょっと危険。

あ、この人なら私の泥を無くしてくれるかも。
いや、こっちの人なら私が凍ってるの溶かしてくれるかも。

そんな風につい期待しちゃうけれど、中々そうはいかないもので。
中途半端に泥をかき混ぜられたり、氷を部分的にだけ溶かしてきたり。

そんでそのままにされちゃったらさ。

あれぇ、私もっといびつな形になっちゃってる。
もっと濁ってきちゃってる。
おかしいな。
この人が真水にしてくれるはずだったのに。

誰か助けて。

私を真水にして。

でもね、それは自分でしか出来ないんだよ。

誰かがきっかけになったとしても、最後は絶対自分なの。

だって、泥水になったり氷になったのは、自分が選んだ事だから。

少しずつでもいいからね。
嘘つかない、妬まない、比較しない、自分を濁らせる人と縁を切る。
泥を吐いて、ゴミを捨てて。

優しくする、笑顔でいる、お礼を言う、自分を大切にしてくれてる人を大切にする。
中から綺麗な水を湧かせる。

自分の中からゆっくりとでも水が湧き出す事で、やがて泥は流れてゆく。
やがて氷も溶けてゆく。

気づけば、サラサラの流れる真水に戻る。

どんどん水を湧かせていけば、やがて溢れる泉になる。

そしてやがて同じ美しさを持つ人のオアシスになるんだよ。

そんな女になりたいものです。

#精進します