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アル中の花瓶


小さい頃、よく競馬場に連れて行かれた。


ガキに馬を見せるためだとか、子守の名目として競馬場に連れて行かれた。


今思えばとんでもない話だが
お馬さんが見れるので自分は喜んでいた。
(と思う)


今はどうだか知らないが、昔の競馬場はそりゃあもう酷く汚い場所で


そこら中にチリ紙やら煙草の吸殻やらビールの空き缶やらワンカップ酒の空き瓶やらが落ちていた。


そのワンカップ酒の空き瓶を自分は花瓶だと思っていた。


何故自分がワンカップ酒の空き瓶を花瓶であると勘違いしていたかというと


家でよくワンカップ酒の空き瓶に花が生けてあったからだ。


めちゃくちゃだ。


アル中の花瓶だ。


重ね重ね今思えばとんでもない話だが

人間よりも獣に近かった人に
ワンカップ酒の瓶にでも花を生けて愛でようとする人間性だとか善性があったことを信じてみたくなるし

実際当時の私も生けられた花を見て安堵していたと思う。


なんとなく、今でもワンカップ酒を飲むと花を生けてみたくなる。





もう顔も思い出せない。


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私は遊園地にあるパンダの乗り物と同じなので、お金を入れると動きます。さ、お金を入れてぴんくチャンを動かしてみよう!今度はどんなえげつない動きをするかな??