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小学生時代の不思議な体験


学校の怪談との出会い

私が小学生の頃、学校の怪談が流行っていた。友達と市内の小学校に伝わる怪談について、「あの学校ではこんな怪談がある」とか「この学校ではこんな怪談を聞いたことがある」などと話し合っていた。

その中の一つに、Y小学校にまつわる怪談があった。誰もいないはずのピアノが鳴り、学校裏のトイレの奥から二番目の個室に幽霊が出るというものだ。今から思えばよくある話だが、当時はわくわくドキドキしながら聞き入っていた。

怪談の現場へ

当然のように「じゃあ行ってみよう」ということになり、友達と3人で行くことに決めた。

ピアノの調査

Y小学校のピアノは体育館にポツンと置いてあった。午後5時近くの学校にはまだ人も居て、不気味さはあまり感じなかった。当然、ピアノは鳴らなかった。

トイレの探検

次に、校舎の裏にポツンと建っているトイレに向かった。このトイレはもう使用されておらず、廃墟となっていた。水洗トイレが校舎内に設置されたため、外の汲み取りトイレは廃止になったのだ。

廃墟と化したトイレはいかにも幽霊が出そうな雰囲気を醸し出していた。夜中だったら怖くて入れなかっただろうが、まだ5時だったので中に入ってみた。

内部はボロボロで、所々に穴が開き、埃が積もっていた。大便用の個室は5つ並んでいた。まだ夕方というのにかなり不気味で、とてもじゃないがこんな所で用を足したいとは思えなかった。

3人ともヘッピリ腰で進み、奥から二番目のドアの前に立った。顔は引きつり、心臓はドキドキしていた。友人に突っつかれ、私は思い切ってドアを開けた……ヒーーーッ……中には何もおらず、普通のトイレだった。ホッとしながら、そそくさと外に出た。

不思議な体験

その後、体育館の裏でしばらくたむろしていた。5時を過ぎると人も少なくなった。3人バラバラになって校庭を探索した。もちろん部外者なので校舎には入らなかった。

私は体育館の裏をフラフラしていると、突然ピアノの音が聞こえた。「ん?」と思い、体育館の中を覗いた。ピアノは入り口から見ると奥の左に置いてあったが、笑っちゃうが、誰もいなかった。

高校時代の類似体験

この音に関しては、高校の時も似たような体験をした。私は陸上部で、たまに遅くなる日もあった。ある日、部活が終わった頃には外はもう真っ暗で、皆帰り、私が最後に学校を出ることになった。

体育館の横を通った時、中からバスケットボールを突く音が聞こえたのだ。誰か残っているのかと思い中を覗いたが、暗くてよく見えない。闇に目が慣れたのでもう一度よく見たが、誰もいなかった。気のせいかと思い帰ろうとすると、またボールを突く音が聞こえた。すぐに中を見たが、やはり誰もいない。

体験の考察

今、当時を思い返し、よく考えてみると、やはり耳から聞こえたわけではなく、精神で聞いたのだと思う。人がいたわけではないので、物質的な音ではなく、そこに残っていた場の記憶のようなものが聞こえたのではないか。昼間、生徒が体育や部活で動いていたエネルギーが残っていたのかもしれない。

人は体と心と魂でできている。魂は永遠で、人が死ぬと創造主の許へ帰る。体は腐り土へ帰り、心は暫くその場に思いだけが残り、それもだんだん薄くなり消えていく。

私自身は幽霊はいないと思うが、精霊のような存在はいると信じている。森や山には自分の意思で行動するエネルギー体がいて、それが精霊だと思う。

こうして私のスリル満点な学校探検は幕を閉じた。振り返れば、怖がりながらも楽しんでいた自分がいる。あの頃の好奇心や冒険心が、今の私の原動力の一部となっているのかもしれない。


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