はーちゃんへ

先日、親友と久しぶりに会って色々と話をした。あまりにも残酷な発言に正直縁を切ろうかと思った。

その場では上手く言葉にできなくて
手紙にして出そうと思ったけど、結局それもめんどくさくなってやめたのでここに残す。

親友とは今も普通にインスタで交流してるし、
多分これからも変わらず関わっていくんだろう。

数少ない友人を失うのが怖い。
それに彼女が悪いわけじゃない。
人間誰しも自分の生きてる世界でしか見えないものがあって、それで良いなり悪いなり判断するし、それ以外の世界があるなんて想像もできないんだからしょうがない。

ただ「あぁ、はーちゃんはうちのことを見下してるんだな」とうっすら思ってたことが、彼女の無意識下で言語化され私に傷を残して、でも傷だからそのうち治る。
跡は残るかもしれないけども。

——————————————————
フェミニズムについて

ホステスして性を売り物にして、お金をもらってるのにフェミニストなのはおかしいんじゃないか。
嫌ならやらなければいい。なんで働いてるの?

って言われた時に上手く答えられなかったし、多分納得してもらえる答えが今のうちにだせるとは思えない。「フェミニズム」という言葉に対しての捉え方と違ったし。
嫌な気分にさせるかもしれないし、傷つけると思う、もしかしたら距離を置こうって思われるかも知れないけど伝えさせてほしい。

自分でもダブスタと思うし、ホステスとして働くことで女性が搾取される構造に加担してる自覚もある。
ただフェミニズム=人権で、たとえ男性達から何百万円もらっていたとしても体を支配されたり、チャンスを奪われたり、安全や尊厳を侵害されることについて異議を唱える権利はあると信じてる。

大学生の時とかは夜の世界で働くことについてあまり考えてなかった。
好き好んで働いてた訳でもないけど、月末になれば親がお金借りに来てたし、好きな服を買えたり、みんなと旅行に行ったり、親に頼らずに生活したかった。

社会人になっても高校から満額借りてた奨学金を返して全て諦めて暮らすより、夜も働いて余裕のある生活する方が楽だし幸せだった。

でも徐々になんで女の人とお酒を飲むことが会社のお金でできて、来ている人は全員男で、こんなにもたくさんの女の人が昼も働きながら夜も色々嫌なことを言われたりされたりしながら働いてるのかな、
って思い始めた。
女の人が欲深いから?金遣いが荒いから?ブランドものが好きだから?海外旅行に行きたいから?
単純にそれだけなんかな。

男性の先輩や同期に混ざって飲みに行ったりオールしたりしたけど、「『そっち側にいれる自分』は差別されてる、見下されている側とは違う」と思いたかったんだなって今になってわかる。
(「名誉男性」で調べてみてほしい)

結局どんだけ男性社員に混ざっても「女の子は別に仕事できなくてもいいじゃん笑」だった。
昇格するのは男性で、女性はなぜか事務処理ばかりしていた。

素敵な男の人もたくさんいるのはわかってる。
はーちゃんが幸せを願ってくれることも。

本当にただ、見てきた人、その人と話をしたタイミング、身を置いてきた環境が違うだけだし、はーちゃんを責めたりとか非難する気は全くない。はーちゃんの家族や周りの男の人を非難して否定したいわけでもない。
はーちゃんとこれからもずっと友達でいたくて、ただ、そうなのかって知ってもられるだけでいい。

会社でセクハラ大魔王って呼ばれてんねんって笑いながら言う父親、「ダッチワイフみたいな顔してるな!」って言ってきた客、エスカレーターでキスしたりブラの中に手を突っ込んで「小さ!」と笑った客、タクシーでずっと嫌がってもパンツの中に手を入れてこようとする客、ヤらせろ、脚太いな、胸小さいな、首詰まってる服を着てる女は首絞め願望がある、女を「買う」という人、「お前犯すぞ!!」と酔っ払って笑いながら言う先輩。

全員男で、大半が誰かの夫だったり父親だった。
同じ人間なのに、人間とみなしてない言動に怖くなった。

“Not All Men”
全ての男性がそうじゃない
女の人が100%犯罪しない訳でも、ハラスメントをしない訳でもない。
思い通りにならなかったことの全ての原因を男性のせいにするわけでもない。

子会社の新入社員にセクハラを繰り返しても降格もなく異動先でもセクハラしてとなお許される会社の役員、20何年働いても係長止まりの優秀な未婚の女の先輩、強姦して不起訴になったニュース、性暴力を受けた伊藤詩織さん、五ノ井里奈さんに対する誹謗中傷、レイプされた側に「本当に嫌なら抵抗できた」「落ち度があった」というようなセカンドレイプ、センター試験の日は絶好の痴漢日和と嬉々としてTwitteする人、痴漢と言ったら馬鹿の一つ覚えみたいに冤罪と言うネットの人、「女性が主役」と掲げているのにおじさんしかいないポスター、コロナで仕事が無くなった女性が風俗にくるから美人とヤれるという発言、女性受験者が一律減点されたニュース、麻酔で意識がない間に強姦した医者、中絶を禁止する法律、acid attackで顔がただれた女性、髪の毛を隠してなかったというだけで投獄されレイプされた女性、レイプされた女性が焼かれる国、女性の教育を禁止したタリバン政権。

自分の身の上におきたことでは無いけど、全て根底は女性蔑視や女性差別だと思う。

「宗教の問題でしょ?」
ってはーちゃんは言ったけど、それでなぜレイプされた女性が悪とされ殺されたりするのかな。

ホステスをしてる、又は、していたからといって、これらに対しておかしいと声をあげること、怒ること、変えていきたいと思って行動する権利はあるし
多分それは理解してもらえると思ってる。

ホステスとか風俗が無い世界になって欲しい。そういう職がある限り男性が女性を支配できる、好きなようにできるモノとして認識して搾取され続ける。
それが無理なら一人でも従事する人が減るようにしたい。
正直もううんざりしてる。

「いい人と出会って結婚してほしい」
って言ってくれてありがとう。

そうなったらとても幸せなんだろうなって、好きな人と子供を産んで、育てることって本当に素敵なことだと思ってる。

でも男の人に対して絶望する回数が多過ぎた。
女っていうだけでこんな理不尽な扱いをされることに何度怒って、絶望して、何回もやるせない気持ちになって。
女の子を産んだら、またその子も同じ状況で生きていくのか。

「フェミニズムって言われると自分が批判されている気になって気分が悪い」
「男だって大変なんだ」
「他にも差別されてる人がいる」

だから弁えろ?大人しく現状を受け入れろ?これからもずっと男の気持ちを尊重しろ?

暴力や誹謗嘲笑に耐えながらも声をあげてきた先人の女性、ずっと我慢してきた女性、次世代の女性、自分のために、うちは会社のコンプラ部門にメールするし、お酌しないし、経済力をつけて、絶対夜の世界に戻らない。女だからって遠慮しないようにしたい。

だからもし結婚したとしてもフェミニストだと思う。

完全に個人の経験に基づいたもので、これがフェミニズムなの?甘い汁吸っといてフェミニストなの?って思われるかもしれないし、嫌な気持ちにさせたと思う。

繰り返しになるけど、はーちゃん自身はもちろん、はーちゃんの生き方や考え方、はーちゃんの周りの人を否定したり非難する気は本当に無い。はーちゃんにフェミニストになって欲しいわけでもない。

ただ、うちの感じてきたこと考えてきたことをわかってもらいたかった。

フェミニズムの定義が違ったから、そういう意図ではないのは理解してるけど「ホステスやっててフェミなのはおかしい」「それでお金もらってたんでしょ」って言われた瞬間

めちゃくちゃ残酷だなって、うちだって性産業を選択肢に入れない人生でありたかった。

お金をもらってたらなにされてもいいわけじゃない。

私の、女性の人権は?

自分の人権が否定された気になった。
なにより、はーちゃんに自分がそう思われてたんだなって。

フェミニストになって欲しいわけじゃないんだけど、うちの好きなフェミニズム関連の本を送ります。
忙しいと思うけどぜひ読んでみて下さい。

乱文でごめんね。

—————————————————

いつか直接伝えられますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?