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エバンジェリスト、アンバサダー、インフルエンサー

外資にいると、カタカナ語がついつい
多くなる。
しかも、マーケティング部門にいると
なおのことその傾向に拍車がかかる
気がする。

昨年の4月、私が最初にオンラインで
マーケティングのセミナー実施に
こぎつけた直後に、こんなエントリーを
書いていた。

こうやって意識しないと、カタカナ語を
本当に「ついうっかり」使ってしまい
かねないのである。

とはいえ、メディアが日々新しい言葉を
創造し、それを流しては、定着するよう
に煽ったりもするので、様々なカタカナ語
が世間に浸透しているのもまた事実。
タイトルに挙げた
・エバンジェリスト
・アンバサダー
・インフルエンサー
あたりは、どれも同じような意味合いで
あるが、かなりの割合で日本人なら誰も
が分かる状況にあるのではなかろうか。

水曜日に実施したセミナーは、
テーマが「Price」つまり価格だった。
その折、価格を考えることは、すなわち
価値を考えることである、ということで、
受講者に、価格が高くてもつい買って
しまう
、そんな価値ある商品やサービスに
どんなものがあるかを挙げてもらった
旨、取り上げさせてもらった。

その時に、焼き菓子の「ツマガリ」という
ブランドのほかに名前の挙がったものと
して、マザーハウスというブランドの
「ヨゾラ」というバッグがあった。
このバッグ、質の良い革製のバッグなの
だが、いとも簡単にショルダーバッグが
リュックサックに早変わりするという、
画期的なバッグである。

私がマザーハウスのことを知った
きっかけは、大学院時代の先輩で、
現在成蹊大学法学部の教授をお務めの
塩澤一洋さんが熱心に勧めているのを
Facebookで拝見したからだ。

バッグについては、私は私のこだわりが
あるので、マザーハウスを試すにはまだ
至っていないが、塩澤さんの多大なる
影響を受けて、7年前からお世話になって
いるブランドがある。
俗に「5本指シューズ」と呼ばれる、
ビブラム・ファイブフィンガーズだ。

普段はオンラインショップか、ごくわずかな
小売店でしか手に入らないが、今日から
代官山で全種類が試せるPOP-UP SHOPを
やっているとの報を受け、雨の中を訪問
したところ、塩澤さんに久々にお会いする
ことができたのだった。

ビブラム・ファイブフィンガーズが、
どれだけ私の心を奪っているか、
愛用しているかについては、
何度かここでも語っているが、
今日は紙幅が足りないので割愛する。

今日伝えたかったのは、塩澤さんの
「エバンジェリスト*」っぷりの凄さ
である。
*アンバサダー、インフルエンサーと
置き換え可能

彼は、ご友人数名とご一緒されていた
のだが、この靴の魅力を、店員でも
ないのに滔々と語り尽くしてくれる
のである。

確かに、この靴は普通の靴と比べて
かなり特殊で、普通の歩き方ではなく
「フォアフット(前足)着地」
をしないと、膝や腰をすぐに痛めて
しまう点に注意が必要。
初心者は、なかなかその歩き方のコツ
をつかみにくいため、既にしっかりと
コツを掴んだ先達が教えてくれると
大変ありがたい。

私自身も、彼のブログでこの靴の凄さ
を何度となく目にする
うちに、
試さない訳にはいかない心持ちになり、
以来7年にわたって愛用している。
最初は1km走っただけで、全身筋肉痛
に襲われるという経験から、これは
ホンモノだとのめり込み、5年かけて
フルマラソンを完走するまでになって、
今もほぼ毎日この靴を愛用する
ビブラムフリーク。

塩澤さんは、お金をもらっているわけ
でも何でもないのに、ただ
「自分が好きだから」
「間違いなく良いものだから」
「みんなにも使ってもらいたいから」
という純粋な思いで、普及活動に
余念がないのである。

世の中の大半のブランドは、
このように熱心に推奨してくれる
「エバンジェリスト」を
お金を出して雇ったり、あるいは
ツテ・コネを使って仕込むもの。
しかし、商品が本当に圧倒的に
素晴らしい品質、性能を実現するに
至っていれば、このように熱心な
「エバンジェリスト」を獲得し、
放っておいてもクチコミが広がって
いくことも可能なのだ。

広告は信用しないが、
SNSのクチコミは信用する、
そんなスタンスの人も少なくない
今日この頃。
ごく一部のお客様で良いから、
その良さで圧倒的にそのハートを
射抜くことのできる商品・サービスを
開発し、「エバンジェリスト」として
周囲に勧めまくらずにはいられない、
そんな状態を目指したいもの。

今日、塩澤さんとお話しして、
そんな風に思わずにはいられなかった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。