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「吉田のうどん」は讃岐を超えられるのか?

連日の富士山ネタ、富士吉田ネタにて失礼。

昨日は「吉田のうどん」の接客残念例を
ご紹介したが、今日はそのPR展開について
取り上げたい。

「富士吉田といえばうどん」という
イメージが全国的に広がったのは、
まだここ十年程度であろうか。
Wikipediaによれば、2007年に農水省の
「農山漁村の郷土料理百選」の一つと
して選ばれたらしく、インターネットや
TVといったメディアの力も相まって
イメージが強化されてきた。

食べログで富士吉田市を検索すると、
何と、トップ10は全てうどん店が独占!
しかもトップ5は見事「百名店2022」に
選出
されている。
トップ20を見ても、17店がうどん店
なっていることからも、いかに吉田が
うどんにまみれているかが分かろうと
いうもの。

うどんといえば、やはり「讃岐うどん」
一般的には有名だろう。
香川県が「うどん県」に名前を変えた!
という衝撃的なコマーシャルで、
その後に続くPR活動の口火を切ったのは、
もはや伝説的。

香川県は、観光協会のサイト自体が
「うどん県旅ネット」という名称で、
「うどん推し」の徹底度合いが凄い。

そんな「うどん県」の「讃岐うどん」を
超える!
と高らかに宣言しているのが、
この「うどんなび」というフリーペーパーを
発行する「ひばりが丘高校うどん部」だ。

今回もらった「うどんなびvol.10」。年1回発行で、vol.10は昨年3月発行分。
入ったお店にたまたま今年分がなかったということで、昨年分をいただいた。

「吉田のうどん」を供するお店を取り上げ、
詳しくレポート。
店名とうどんの写真だけ紹介する店舗も
含め、103店舗を掲載。
この2021年版は70,000部発行というから、
なかなかの部数である。

なんとこの「うどん部」は、店舗営業も
実施している。
今回はお邪魔できなかったが、地元の
スーパーであるSELVA(セルバ)本店の
フードコートで、日曜日のみ営業
という
高校生の部活動らしい(?)設定の下、
美味しいうどんを供しているようだ。

「うどんなび」を発行・配布するだけでなく、
実際にうどん店を開いてしまう行動力が
素晴らしい。
そんな部活が10年以上続いているという
のも、多くの共感者が集まるだけの熱い
「志」あってのことなのだろう。

富士吉田市も、力を入れて「吉田のうどん」を
アピールしている様子は見られる。
しかし、何といっても富士山そのものが
最大の観光資源
である。
うどんはどうしても付随的な扱いとなり、
その点「讃岐うどん」に対して不利なのは
否めない。

こちらのページで、「【自称】日本三大うどん」
と名乗っているが、確かに世間一般では
「三大うどん」というと
・讃岐うどん(香川)
・稲庭うどん(秋田)
・五島うどん(長崎)又は水沢うどん(群馬)

とされている様子。

この3つ目が、氷見うどん(富山)あるいは
きしめん(愛知)などとされる場合もあり、
ご当地同士で勝手に名乗り合っている気配が
濃厚である。
讃岐と稲庭は、確かに知名度で突出している
感があり、3つ目はどれもパンチが弱い。
「吉田のうどん」としては、そこに割って
入ろうということなのかもしれない。

ということで、讃岐うどんを超えるのは
現実的な目標とは言い難い、というのが
個人的な所感だが、こういったPR活動は
地道に継続することで信頼を積み重ねる
ことが殊の外大切。

関係者が協力し合い、うどん店がお互いに
切磋琢磨しあっていけば、讃岐うどんを
射程距離に収める日が来るかもしれない。

最後に、今回訪れたうどん店を二つ
ご紹介して筆をおく。

まずは、「麺許皆伝」さん。
こちらは、食べログ百名店2022にも
選ばれている実力店。

のれんに風格が感じられる

頂いたのは、「欲張りうどん」
うどんには、茹でキャベツ、きつね、
わかめと「肉」(ここは馬肉でなく牛肉)、
ネギが載っている。
追加トッピングは、きんぴらとちくわ天。
「すりだね」という薬味(辛味)で、
途中から味変させて食べると尚良し。

ボリューム満点の「欲張りうどん」が600円。

もう一店は、富士吉田のお隣、忍野にある
「柳原うどん」さん。
ここも、広い店内があっという間に埋まり、
行列が絶えない人気店。

味のある表札

うどん屋なのに、なぜか「焼肉定食」が人気
どうも以前にTVで取り上げられた影響もある
様子だが、我々が店を出る12時ごろには
既にオーダーストップ
、行列のところに
「定食完売」の看板を設置。

定食にはちゃんとミニサイズの「うどん」が
付いており、このうどんを大盛にすることも
可能。

定食の味噌汁代わりにうどんが付くのがミソ

焼肉は、にんにくがたっぷり効いていて
パワーをチャージできる。
そして肝心のうどん。
吉田うどんらしく、コシがありながら
もっちり
として美味しい。
少々ツユが薄目だったので、すりだねを
加えて調整。
しっかり最後まで飲み干してしまった。

他にも名店がまだまだある様子。
是非とも機会を見つけて訪問し、
食べ比べてみなければなるまい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。