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観光におけるハードパワーとソフトパワー

昨年の11月に、かねてより訪問を熱望していた
長野県の小布施町を訪れた。

この小布施町は、観光都市として大成功
収めている。
人口わずか11,000人の街に、年間100万人
近くの観光客が訪れる
のである。

一体何がそこまで人を惹きつけるのか。
コンテンツの核の一つは、葛飾北斎である
ことは疑いない。
それ以外にも、特産品の栗を使った
「六次産業化」だったり、
古き良き日本の家並を再現した独特の
景観維持
だったり、
様々な努力が複合的に実っての結果だろう。

先般、たまたま読んでいたある冊子の、
地域振興に関する記事の中に、
長野五輪のときにやってきて住み着いた
セーラさんという方が、小布施の観光に
一役買っていたという趣旨のことが
書かれていた。

色々小布施のことを書いておきながら、
そのセーラさんの存在すら知らなかった
ので、つい気になりチェックすると、
いくつかの記事がヒット。

フルネームである
「セーラ・マリ・カミングス」
の響きを聞いて、確かにどこかで聞いた
ことがある!という感覚がよみがえった。
「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2002」
受賞している方である。

今は活動の場所を長野市の別の村に
移しているらしいが、小布施にいた際には
栗菓子で有名な小布施堂と、酒蔵である
枡一市村酒造場に籍を置き、
かなりメディア露出もしていた様子が
確認できた。

特に興味深かった記事がこちら。

「小布施ッション」だとか、
「小布施見にマラソン」といった、
非常に興味深いイベントのアイデアを
次々と考えては怒涛の如く実現していった、
パワフルで実行力に富む女性のようだ。

いくら景観がきれいだからといって、
それだけで永遠に人を集め続けるのは
簡単ではない。
景観の美しさやユニークさを競う、
他の都市はいくらでもある。
その中には、小布施よりもアクセスが
良いところだってたくさんあるだろう。
つまり、ハードパワーだけでは限界が
ある
のだ。

いくらコンテンツが素晴らしいからといって、
ずっとそれだけに頼っていたら、いつかは
飽きられることになる。
北斎という貴重、希少なコンテンツを活かし、
「北斎館」というミュージアムを創って
運営していることは素晴らしいことだが、
観光する側からすると、一度見たからいいや、
となってしまいがちである。

リピートしてもらうためには、
ベースとなる景観やコンテンツを
高いレベルで保つ
ことに加えて、
季節性を加味したイベントを開催したり、
新しいコンテンツを加えてニュース性を
加えたり、そういったソフトパワーを
バランスよく混ぜていくのが効果的
だと
思うのだ。

実は、前回の訪問は、たった半日の観光で
駆け足のように過ぎ去ってしまったため、
再度じっくりと町を味わうべく、再訪を
目論んでいる。
小布施で文屋という出版社を経営する
木下社長とご縁をいただいており、
是非再会したいという想いもある。

ここからは、少し脱線。
今、その木下社長が、『ちよにやちよに』
という、君が代を題材にした絵本の出版を
記念したビジネスセミナーを控えている。

「かんてんぱぱ」で有名な伊那食品工業の
塚越寛最高顧問
と、塚越英弘社長、更に
リッツカールトンの日本における初代社長
である高野登さん
、そして著者で歴女の
白駒妃登美さん
という、なんとも贅沢な
布陣。

セミナー自体は、小布施ではなく、伊那市に
ある伊那食品工業の本社で行われる。
現地に直接赴いて拝聴したいところだが、
私はオンラインで後日受講させていただく
つもりだ。
塚越さんの「年輪経営」の話を伺うのを、
今から楽しみにしている。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。