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プラ製スプーンの有料化実証実験

少し前の新聞記事で、コンビニ3社が
プラ製スプーンの有料化実験を始める

とのニュースに出くわした。
経済産業省と連携し、中央省庁などに
入っている10店舗で、実証実験を行う
らしい。

有料の場合と無料の場合とで、
客数や辞退率がどう変化するのか、
検証
をするそうだ。
お値段は2円から4円の間で、
チェーンによって微妙に異なる。

セブンイレブンの社長が、
国が音頭を取っているということで、
消費者にとっては比較的受け入れ易い
のではないか、とのコメントを出して
いた。

確かに、レジ袋の有料化についても
すっかり定着したことを考えれば、
スプーンやフォークなどを含む
プラスチック製カトラリーの有料化が
あれよあれよと定着する可能性は
十分にある
だろう。

1ヶ月ほど前には、
和菓子で有名な源吉兆庵が、
「食べられるスプーン」
開発したとのニュースもあった。

その正体は、アレルギー表示の必要の
ない米粉と砂糖のみを原料にした
堅焼き煎餅である。
「あんとろり」という名物菓子用に
量産して、今年の春から添付
するとの
ことだ。

プラ製スプーンの話題が割と立て続けに
出て来たので、このようなプラ製の
カトラリーがプラスチック製品の中で
どれだけ大きな割合を占めているのか
気になって、簡単に調べた。

少し古いデータだが、2020年における
プラスチック加工製品の分野別生産
比率
というものが、石油化学工業協会
ウェブサイトで公開されている。

スプーンは、「日用品・雑貨」の中の
「台所・食卓用品」にあたるだろう。
ということは、全体の6%の中の、
更に一部
ということになる。
文房具などとも一緒にされているから、
カトラリーが占める割合は、せいぜい
全体の2%
といったところか。

うーん・・・
プラ製スプーンを少しでも減らしたい
というのは分からないでもないが、
どこまで意義があるのだろうか。

レジ袋有料化については、2020年7月の
制度のスタート時
に、その目的が以下の
ように説明されていた。

マイバッグの持参など、消費者のライフスタイルの変革を促すこと

『レジ袋有料化 Q&Aガイド』 経済産業省ほか

プラ製スプーン有料化も、
プラスチック製品の量的な削減は
勿論視野に入れつつ、

マイスプーンの使用促進など、消費者のライフスタイルの変革を促すこと

という、やや質的な目的を掲げることに
なるのだろうか。

マイバッグの方が実はプラスチックを
使っている量が多いのではないか。
あるいは環境負荷がトータルで大きい
のではないか。
正確な比較は困難を極めるだろうが、
こうした疑問、批判が絶えずなされて
来たのは事実。

こうしたとき、必ず考えておくべきは、
「一体これで誰が儲かるのか?」
という視点である。

レジ袋の件も、プラ製スプーンも、
裏で儲かる黒幕がいるのか否か、
正直なところ現時点で私には全く
分からない。

しかし、こうしたニュースに対しては、
常に健全な疑問を持つということを、
忘れないように胸に刻みたい。


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