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パーチェスファネルと金の卵を産むガチョウ

マーケティングでよく出て来る話の
一つに、パーチェスファネルという
のがある。
まだこのnoteを書き始めて間もない
頃に数回、ファネルについて書いた
記憶があり、そのうちの一つはこの
記事である。

ファネルというのは
「じょうご」
「漏斗」
のこと。
逆三角形と言った方がより分かり
やすいかもしれない。
例えばこんな感じである。

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このファネルは、私の尊敬する作家で
ありマーケティング・コンサルタント
である佐藤義典さんが提唱している
「マインドフロー」というもの。

要は、消費者がモノ・サービスを
購入(パーチェス)する際の心の
動きを、じょうご(ファネル)を
使って表したものである。

この図を眺めるだけで、結構色々な
ことが見えてくる、マーケティング
においては大変重要なものだ。

真ん中より少し下に、「購入」と
いう関門がある。
お客様にここを通過してもらうこと
が、マーケティングを行う側の目標
となる。
そのためには、基本的に上の関門を
くぐり抜けて来なければいけない、
というのがファネルの考え方。

「認知」、つまり知らないことには
始まらない。
知らないものを購入しよう、という
全ての土台は、まず知ること、ここ
からすべては始まる。

認知して初めて「興味」を持つに
至る。
知ったものすべてに興味を持つわけ
ではないが、知らないことには興味
を持つこともできない。

興味を持つと、じゃあちょっと調べて
みるか、ということで、Google先生
に聞いてみたり、友達に聞いてみたり
といった「行動」を起こす。

いよいよ欲しくなってきて、他にも
良さそうな候補を見つけては「比較」
をしてみる。

これらすべてを乗り越えて、ようやく
「購入」というゴールにたどり着く。


今日、同僚と話をしているときに、
デジタルマーケティングの落とし穴
について話が挙がった。

デジタルの世界では、いかに効率よく
このパーチェスファネルの関門を突破
させるか、
言い換えれば、
「コンバージョンレート(CVR)」
を上げるかが問われる。
購入につながるCVRは「直接CVR」、
購入の手前のCVRは「間接CVR」と
呼ばれたりもするのだが、とにかく
各関門を突破させていかない限り
目標の「購入」にたどり着かないの
で、どうやってCVRを直接、間接に
上げていくかということに、みんな
しのぎを削っているのである。

CVRを上げていく上で、まずもって
大切なのは、お客様の存在である。
そのお客様たちが、より多く「認知」
して「興味」を持ってくれることが
あってこそ、CVRを追いかける意味が
出て来る。
つまり、「認知」や「興味」という
「打数」をある程度確保しない限り、
CVRという「打率」ばかりを追いかけ
ても試合で勝てないのだ。

この、CVR向上ばかりに躍起になる
ようなデジタルマーケターは、
イソップ童話にある
『ガチョウと黄金の卵』に出て来る
欲張りな農夫のようなもの。
「もっと沢山卵を産め!」と言わん
ばかりに、CVRを上げることばかり
にご執心だと、お客様の数がいつしか
枯渇してしまう、つまりは卵を産む
ガチョウ自体を殺してしまうような
ものである。

そんな近視眼に陥らないよう、常に
ファネル全体に気を配っていく、
そういう態度がマーケターには求め
られるのだ。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。