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ビール市場の仁義なき戦いを裏でサポートする仕組み

一昨日、「招福」パッケージを
あしらったビール、サントリーの
プレミアムモルツについて記事にした。

冷蔵庫にあったそのプレモルの在庫が
切れたので、近所のスーパーにて
今度はサッポロ黒ラベルを購入。
その際、こちらのレジ・クーポンを
ゲットした。

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見ての通り、次回プレモルを買うと、
T-Pointが100ポイントもらえるという。
つまり、実質100円引きに等しく、
これは概ね10%引きに近い。

このレジ・クーポン、実は外資系の
カタリナマーケティングという会社が
その仕組みの本家本元である。

レジを通る際に、どんな買い物をしたか
POSに登録された内容に反応して、
狙い定めたお客様にピンポイントで
クーポンを発行できる仕組みを提供
している。

今回、私にプレモル100ポイントの
クーポンが発行された裏を推測するに、
サントリーがカタリナならびに小売店
(今回は私が訪れたマルエツ)と契約
して、以下のような感じで仕組みを
回しているはずである。

サントリーは、自社以外、つまり、アサヒ、キリン、サッポロの「ビール」購入者をターゲットに定め、プレモルに浮気させようというのが目的。
発泡酒や第3のビールは、単価が異なり、恐らく獲得効率が悪いので除外、あくまでも「ビール」購入者に絞る。
POSレジを打つ中で、このターゲットとなる買い物かごのお客様が会計をする際に、レシートが発行されるや否や、レジ・クーポンが発行される。
クーポンが発行できる特別な機械がレジ横に設置されており、レジと連動するように調整されている。
サントリーは、この仕組みの利用料をカタリナに支払う。
また、レジ・クーポンを使った人の、使った分の金額も併せて支払う。
そして、このクーポンを使用するので、棚のいいところを確保してほしいとか、別場所での展開をさせて欲しいといった営業商談を、スーパー側と行う。

競合ユーザーを、実質値引きという
爆弾を用いて引っ張ってこようという
なんともえげつない施策である。
いや、消費者にとってはありがたい
施策なので、えげつないなんて言葉を
使うのは失礼かもしれない。

このカタリナの歴史は結構古く、
マルエツも当初は間違いなくカタリナ
を使っていた。
しかし、ここまで書いて来て、
ひょっとしたらTポイント発行主体の
TSUTAYAが、カタリナのサービスを
模して提供しているのかもしれない
と思い始めた。
ザッとググったが、裏が取れなかった
ので、万一マルエツと協業している
のがカタリナでなかった場合は、
ご容赦のほど。

いずれにしても、このカタリナ社、
昔の単純なレジ・クーポンから、
かなり進化を遂げている。
彼らのサイトの中で、レジ・クーポンの
説明をしているこちらで、とても
分かりやすく仕組みを解説している。

こういうクーポンの類は、
財布がパンパンに膨らむから嫌い、
などという方も時折いるが、
「賢い主婦(夫)」を目指す方や、
使えるものは使おうと考える合理
主義者の方であれば、積極的に使う
であろう。

LINEと協業して「LINEクーポン」を
提供している裏で使われているのも
カタリナの仕組みだ。
最近流行りの「オムニチャネル*」に
対応するソリューションも提供して
いる様子。
*リアルとネットの境目なく、
顧客がどの販路=チャネルでも
スムーズに購入できるように、
流通経路を統合すること。

地味な存在ながら、優れた仕組みを
活かして堅調にビジネスを続ける
裏には、時代に適応する様々な努力
があったのだろうなぁ、などと
勝手に想像するのであった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。