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キャラクタービジネスで儲けるには

素敵な贈花祝い花が飾られていた。
秋らしい、濃い色合いの花の中に、
白くて小さい花が沢山。
そしてそこには、黒くつぶらな瞳と、
黄色い鼻、耳に赤いリボン

そう、見ての通りキティちゃんである。

ハローキティを展開するサンリオの
関連会社から贈られたこのお花、
もちろん「お祝い」の気持ちを
込めて贈っていただいているわけ
だが、同時にサンリオやハローキティ
のPRにもつながっている。

「えー、キティだー、かわいい!」
「すごーい、映えるー!」
きっと今どきの若い子の言い回しとは
異なるのだろうが、意味合いとしては
こんな内容の会話が、贈られた側の
社内で弾むに違いない。

もし、これがキティちゃんではなく、
誰も聞いたことのないような
「雑魚キャラ」(失敬!)だったら
どうだろうか?

社内でも話題になりにくいだろうし、
なったとしても
「何あれ~?!」
という感じのネガティブな反応、
もしくは無反応といったところに
落ち着くのではなかろうか。

自社キャラが贈花になっていたら、
きっとみんな喜んでくれる、
話題にしてくれるに違いない!
そのように確信できる場合に限って、
贈花に自社キャラを採用しているの
ならばいいだろう。

しかし、もし贈る側が、とにかく
自社キャラのPRになるから!
とばかりに贈りつけていたならば、
あまりにも独り善がりだし、
お祝いしていただいた価値も
吹き飛んでしまいかねない。

サンリオ以外には、ディズニージブリ
など、強いキャラクターを持っている
ところはほんの一握りだ。
どこも、いわゆる「ライセンス」事業
と言われる商売を営んでいる。

私も過去にいくつかのライセンサーと
取引させてもらったことがあるが、
キャラが強ければ強いほど、フィー
(手数料)も高くなる傾向
にある。

ミッキー/ミニーをはじめ、
絶大な人気を誇るキャラクターを
山ほど持っているディズニー

優れたアニメーションスタジオとして
頭角を現したピクサーを買収。

スターウォーズなどの映画の版権を
管理するルーカスフィルムを買収。

アイアンマンなど数多くのアメコミ
ヒーロー
を手掛けるマーベルも買収。

次々と著名な版権を獲得してきた歴史を
改めて眺めると、いやはや「壮観」
ある。

これらのキャラを使うためには、
おおよそ小売価格の1割、あるいは
卸売価格の2割に相当するフィーを
支払う必要
がある。

ディズニー以外になると、このフィーの
相場が一気に2/3~1/2に下がる
ところから、
いかにディズニーのキャラクターの価値が
高いか、分かろうというもの。

ライセンシー、つまりはライセンス料を
払って使わせてもらう方は、
それでも「ペイ」するという確証
あってこそ、契約をする。

仮に、一般的には1,000円で売られている
商品に、キャラクターのデザインを施す
としよう。
ライセンス料は1個あたり100円とする。

単純化のために直接販売に絞ろう。
商品の原価が300円だとすると、
粗利は700円。
ライセンス料が乗るだけで、
利益は600円に圧縮される。

同じだけの利益額を得ようと思ったら、
700÷600=1.167… つまり約17%の
数量増加を見込まねばならない。

ライセンサーに支払うフィーだけでなく、
そこに人件費、要は手間も乗って来るので、
同じ利益額などとケチなことを言わず、
1.5倍や2倍に数量を伸ばしたいところ。

キャラクターを使うことで、
そこまで数を伸ばせる自信があって、
初めて起用するメリットが出て来る。
となると、お客様の購入動機に、
キャラクターがどこまで影響を及ぼして
いるか、その見極めが重要
となる。

そのキャラだから買う!
そのキャラだから欲しい!
そんな濃い結びつきを作り出せるか、
そこが勝負の分かれ目
になると言える
かもしれない。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。