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「TikTok売れ」とZ世代

日経トレンディが毎年発表している、
ヒット商品ランキング。
昨年2021年版は、日経クロストレンドと
一緒に、11月3日に発表された。

第6位を獲得したマリトッツォをネタに、
こちらのnoteで書いたこともある。

が、ランクインしている他の商品たちは
特に紹介したことはなかった。

最近たまたま、第1位を獲った「TikTok売れ」
関して話を伺う機会があり、改めてこの現象を
理解したいなと感じたので、自分の理解促進の
ために取りあげようと思う。


この「TikTok売れ」なる現象は、これまた
パワーワードとなっている「Z世代」の
志向・思考と密接に関わっている。

この記事で少し触れたとおり、
現在の25、6歳からティーンズまでを
カバーするこの世代
の顕著な特徴は、
・消費で社会貢献するのはごく自然
・デジタルネイティブゆえのリアル好き
自分らしさ、個性を尊重
といったもの。

そして、その背景にあるのは、彼らが
経験してきた「変化が常態」とも言える
激しい社会環境変化である。

1997年生まれ、今年25歳の若者が、
どのような時代を生きて来たかを振り返る。

2001年、4歳で「9.11」が起こった。
まぁ、これは覚えていないかもしれない。

2008年、11歳で「リーマンショック」
なんか景気が悪いという雰囲気位は伝わって
いたのではないか。

2011年、14歳で「東日本大震災」
多感な時期に、心を大きく揺さぶられる
事件だったはず。

2020年、23歳で「新型コロナ」騒動。
就職してすぐのタイミングだろうか。
まだ知識や経験の蓄積がない中で、
これだけ大きな変化の渦に巻き込まれる
事態というのは、想定外だろう。

戦後における昭和のような、成長一直線の
時代と比べてしまうと、何もかもが不安定、
不完全。

明日どうなるかさえ確証が持てない、
そんな時代。

だからこそ、その「不完全」こそがリアル
と捉えているのが彼ら。

「Flawsome」=「Flaw(欠陥)」+「Awesome(素晴らしい)」

つまり、「何かが欠けていて、それがいい」
という意味合いの造語すらあるのだ。

そんな彼らは、「明らか広告」と呼ばれる、
見るからに作り込んだ、明らかに広告として
作られた、そんな広告が嫌いだという。
「素」が良いのであり、変に飾っているのは
嫌いなのだ。

そして、いつどうなるか分からないから、
執着しない、やり切らない、白黒つけない、
そんな価値観を持っている。

ここから、TikTokを運営するByteDance社は、

「かじる世代」

彼らをそう命名した。


とりあえず何でもかじってみる。
かじるだけだから、できるだけ短い
時間で。

動画が1分超えると「長い!」と感じる
人が半数もいる。
そんなところに、TikTokの短尺動画が
ドはまりしているというオチだ。

TikTokが流行ることで、多くの若者が
どんどん長尺の動画に耐えられなくなって
いったという、マッチポンプ的な要素も
あるかもしれない。

いずれにしても、TikTokの世界観は、
Z世代の価値観にピタリとマッチした。
その結果、TikTokで興味を持ったら、
とりあえず「かじって」みよう
ということで、消費が促される。
それが「TikTok売れ」の正体らしい。

私のような団塊ジュニア世代(X世代)
には本当に理解が難しい。
だが、短尺でないと我慢できない、
そんな「かじる文化」は、既に全世代に
波及しつつあるのも事実。

分からない、理解できない、と言っている
暇はない。

(下記の記事に続く)


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。