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正直者は、バカを見るか、得をするか?

Honesty is the best policy.
(正直は最善の策)
という英語のことわざがある。

結局、長い目で見れば正直者が得を
するよね、という意味合いに私は
受け取っており、「座右の銘」と
までは言わないまでも、自分の価値観
にとてもフィットする言葉だ。

正直であることは、やがて信頼、信用
として蓄積をされていき、目に見えない
「資産」として、商売をする上で揺るぎ
ない価値を持つ。

最初はちょっとした、悪気のないウソ
であったかもしれない。
しかし、一度ウソをついてしまうと、
そのウソを隠すためにまたウソをつき、
ウソでウソを塗り固めるようなことに
陥りやすい。

これはウソとは少し違うが、消費者から
の信頼、信用が傷ついてしまった例と
して興味深い話を一つ紹介したい。

ネットで、セブンイレブンのたまごサンド
が「ハリボテ」とのことで炎上に近い
状態となったきっかけのツイートである。
店頭で商品を買うときに見える断面は
たまごがきれいにみえる(左の写真)が、
片側のパンをめくって中身を確認すると、
きれいな断面はこんなに薄い状態だった、
(右の写真)ということで、残念過ぎる!
ということだ。

これを機に、様々なサンドウィッチを
チェックする人たちが増え、ネット界隈は
妙な盛り上がりを見せていた様子。
更には、他の弁当の「底上げ」だとか、
「カサ増し」の疑いがあるものまで槍玉に
あげられ、セブンイレブン側も相当対応に
苦慮しただろうことがうかがわれる。

底上げ、カサ増し、ハリボテ、、、
配送上の理由だとか、食べやすさへの配慮
だとか、色々な理由があってこそ、今の
商品規格となっているはずだ。
それを堂々と説明できるような状態にして
おくことが、「正直」であり続けることに
つながっていく。

上記の「ハリボテ」の真相が、コスト削減
のためだけのものだとすれば、やはり
それは「正直」に答えられないだろう。
となれば、「不誠実」な態度として、消費
者の非難、批判に甘んじるしかなくなる。
最初は見た目にだまされて買う消費者が
いたとしても、中長期的には消費者の心が
離れていき、やがて誰も買わなくなって、
当初得た利益も雲散霧消するだろう。

しかし、例えば仮に、目一杯たまごが敷き
詰められていると、食べた際に水分が
垂れてしまって食べにくいから、あえて
こうしたとするならば、つまりは何かしら
合理的な理由があっての選択だったと
説明が付くのであれば、むしろそれを
堂々と説明して欲しいし、説明すべき
である。

このような事態を避けるためには、
商品開発における規格の策定時に、
第三者の目を通すなどの工夫を施す
ことが有用だろう。
開発は、基本的に機密の場合が多く、
なかなか社外の目を入れるというのは
難しいかもしれない。
しかし、社内の目だけで進めると、
つい「忖度」が働いたり、「油断」が
生まれたりするもの。
最も確実で、有用な意見を得る方法は、
消費者に聞いてしまう、平たく言えば
消費者調査を行うことになるだろう。

真相がいずれであれ、今回の「ハリボテ」
は見た目にあまりにもインパクトがあった
ために、Twitterで拡散されやすかったと
いう事情もありそうだ。
SNSの拡散力は、今やTVなどの既存の
マスメディアを凌ぐケースが増えており、
ますます「正直」であることの価値が
高まっている、そんなことを感じる。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。