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「気がきく人」になろう

少しばかり前のこと。
休日に電車に乗っていた際、
数人離れた場所に座っていた
男性が、近くに来た老人に席を
譲ろうと立ち上がり、
「どうぞ」
と声をかけた。

席を譲られた女性は、
「大丈夫です。」
と答えて座らない。
男性が一瞬戸惑っていると、
続けてこうひとこと。
「私、一度座ると、ひざが痛くて
立てなくなるんです。
だから大丈夫ですよ。」

女性の顔まで見えなかったのだが、
きっと笑顔で会話したのだろう。
男性は納得、安心した様子で、
元の席に座り直していた。

その後、こちらの本を読んでいたら、
全くもってうり二つの事例が出て来て
驚いた。

著者の七條千恵美さんは、
元JALの客室乗務員であり、
かつその指導教官として
ご活躍をされた方。

客室乗務員の仕事というのは、
言わずもがな、非常に高いレベルで
気遣いが要求される職種
である。

そんな職種のプロフェッショナル達を
指導する立場にあった、バリバリの
キャリアウーマン。
今では独立されて、研修講師として、
あるいは本の著者講演家として、
大活躍をされている。

この本は、先に挙げたような、
「気遣い」の優れた事例をたくさん
紹介してくれていて、参考になる。
電車内の事例は、わざわざ席を譲ろうと
してくれた男性の厚意が無にならず、
車内の空気が気まずい雰囲気にならずに
済んだという点で、気遣いの勝利だ。

この事例を始め、どれもこれも短い
エピソードと、それに対する解説的な
内容が、4ページ単位でまとまっており、
極めて読みやすい。

この「読みやすさ」にも、相当
こだわったのだろうと感じさせる
ほどに、スルスルと読めてしまう。
さすが、「気がきく人」がテーマの
本だけあって、あらゆるところに
気がきかせてある
のを感じるのだ。

「気がきく人」というのは、
結局のところ、相手の気持ちに
なり切れる人。
相手の気持ちに寄り添える人。

マーケティングを生業にする人
(要はマーケター)であれば、
この「相手の気持ちになり切る」、
「相手の気持ちに寄り添う」という
意気込み、能力、そして実行が
必要不可欠
だ。

お客様の気持ちを推し量る。
お客様の気持ちに寄り添う。
どうやったらお客様が喜んでくれるか
徹底的に考える。
考えるだけでなく、それを実行に移す。
そんな、マーケター必須のマインドを
インストールする助けになる
だろう。

「気がきく」ってこういうことなのだ!
そんなことが、豊富な事例と解説で
即座に理解できる。
Amazonのレビューも非常に高評価。

七條さんとは、こちらで何度も紹介を
しているDAFで共演をさせていただいた
こともある、素敵なお仲間。
もっと早くにご紹介する予定だったが、
積読があまりに多くて、
こんなタイミングになってしまった。

素晴らしい気付きをたくさんいただいた
ことに感謝!


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。