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「変化が常態」な時代におけるJD(ジョブ・ディスクリプション)

これまでに5度の転職。
1社平均勤続年数が4年強。
一般的に言えば非常に短いわけだが、
最初の4年を除いては一貫して
マーケティング職にある。
業界・業種、会社、取扱商品こそ違えど、
やるべき仕事は割と似通っている。

最近よく耳にするようになった
「ジョブ型雇用」
という言葉・概念がある。
代表的な説明を引用しておこう。

企業の中で必要な職務内容に対して、その職務に適したスキルや経験を持った人を採用する雇用方法

リクルートマネジメントソリューションズのサイトより引用

これに対して、予め職務を決めずに採用し、
採用後の研修を通じて、本人の志望や適性を
見て配属先を決めるのが
「メンバーシップ型雇用」
と呼ばれるもので、従来日本の会社で
一般的に用いられてきた。

転職が決して珍しくない外資系企業では、
「ジョブ型雇用」が一般的である。
その際、「ジョブ・ディスクリプション」
と呼ばれる、職務を詳細にわたって記述
した文書
が頻繁に用いられる。
「Job Description」通称「JD」と略される
ことが多いので、ここでもそれに倣う。

転職エージェントは、自分たちの商売の
ために、条件に合致した候補者に対して
声をかけまくる。
その候補者に、転職の意思があろうと
なかろうと、そこはお構いなしだ。

その際、ほとんどの場合「JD」がセットで
送られてくる。
転職に興味があれば、その「JD」の中身を
見てみる。
自分にピッタリと思えるか、自信を持って
そのジョブを遂行できそうか、そういった
ところを踏まえてエージェントに返事を
することになる。

木曜日に、以前紹介したことのある
内発的動機の可視化ツールを展開する
「Attuned」
の主催で、次世代リーダーが
なぜ「心」と「価値観」を大切にするか?を
テーマにした座談会を拝聴した。

その中で、小杉俊哉先生が指摘して
くださった一言が、非常に印象深く
心に残った。

VUCAと言われる今の時代にあって、
「JD」を事細かに決めるのは無理がある。
RoleとMissionの確認がより重要だ。

概ねそんな内容の指摘である。

ともすると、「JD」には非常に詳細に
渡ってやるべきことが示される。
書いている方からすると、
あれもやって欲しい、
これもやって欲しい、
ついつい期待が期待を呼んで、
項目が増えてしまう。

しかし、そうやって事前に事細かに
やるべきことを決めてしまうのは、
逆にリスク要因となりかねない。
市場環境があっという間に激変する
時代にあっては、大まかな方向性を
合意しつつ、実際にやるべきことは
柔軟に変更していくことが望ましい

のである。

Roleというのは役割期待
Missionというのは使命、最近よく
使われるPurpose(パーパス)
言い換えても良いだろう。
これらはいずれも、具体的なTo Doでは
なく、大まかな方向性を示す意味合いが
強い。

小杉先生のおっしゃる通り、
RoleとMissionはしつこくすり合わせを
しつつ、「JD」に関しては詳細にまで
踏み込み過ぎずに運用すべき
だ。

「JD」をやたらと細かく設定している
企業は、この辺のことが分かっていない
と判断されて、今後敬遠されるかも
しれない。
少なくとも私自身は、一つの判断基準と
して頭の片隅に置いておきたいと思う。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。