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冷凍餃子のテイクアウト専門店

最近、新聞のチラシで、「雪松」という
餃子の専門店があるのを知った。
近所に出来たらしい。
今日、ランニングをし終えた場所が
たまたまその近くで、
「ああ、ここがあのチラシの店か」
と気付いたので、パシャリ。

写真を見てお分かりいただける通り、
・張り出した看板には「餃子直売所」
・のれんには「無人販売所」
・ちょっと読みづらいが、ファサード
 には「創業昭和十五年 餃子雪松」
といった文字が躍る。

この店舗、色々な意味で興味深く、
成功するか否かは現時点では何とも
言えないが、是非今後の行く末は
見守ってみたいと感じている。

興味深い点の一つ目は、餃子に絞り
込んでいる潔さ。
商売をする上で、「何でもござれ」と
いうのはうまく行かないことが多い。
お客様を絞り込み、提供する商材も
そのお客様に合う少数のものに絞り
込んで、一点集中突破する、という
のがマーケティングの常道。
その意味では、きっと自信があるの
であろう餃子に絞り込んでいるのは
目の付けどころは悪くないかもしれ
ない。


二つ目は、「無人販売所」である
ところだ。
中をじろじろ見ることはしなかった
のだが、店内はとてもシンプルで、
巨大な冷凍庫が壁に並び、そこに
冷凍餃子が沢山並んでいるという
状況。

サイトでは、
「作りたてのおいしさをお客様に
直接お届けできる、直売所という
スタイルにこだわっています。」
とのこと。
直売所を置くということは、
わざわざそこへ行かないと買えない
わけで、普通の冷凍餃子のように
スーパーで他の食材と「まとめ買い」
したり、あるいはセールだからと
「ついで買い」したりといったこと
は全く期待できなくなる。
通販に流すという動線も持って
いないようなので、やはり
「わざわざ」直売所へ行くしか
選択肢がない。

スーパーでは、味の素をはじめと
する競合が棚にひしめいている。
その中での競争よりも、単価を上げ
やすくブランディングもしやすい
直売を選んだということだろう。
投資はかさむが、利益はしっかりと
確保できるはずである。


三つめは、そのブランディングに
ついてである。
創業昭和15年、創業の地が水上の
温泉街で、3代にわたって秘伝の味を
引き継いでいるというストーリーが
背骨にある。
そして、その秘伝の味がいかに人の
味覚を捉えているかを補強するため
に、リサーチ会社に外注して調べて
もらい、結果を「三冠達成」という
形でコミュニケーションしている。

餃子専門店 口コミ人気 第1位
おみやげに買いたい餃子 第1位
お客様満足度 第1位

リサーチの切り口を上手に調整する
ことで、「三冠」という「ネタ」を
創り出し、コミュニケーションして
いる点はなかなか上手だという印象
を持った。

あとは、味が実際のところはどう
なのか、自らがコミュニケーション
しているように、素晴らしい味の
餃子としてリピーターがしっかりと
付いてくる実力があるのか、そこを
注視したいと思っている。


ちなみに、雪松の餃子には、
にんにくがたっぷりと入っている
ようなので、試すときは次の日に
人と会わない時が良さそうだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。