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季節を愛でる

ご存知の通り、今日は桃の節句。
いわゆる「雛祭り」である。
我が家は、長女が今年成人式を迎え、
お雛様を飾るのも20回目を迎えた
ことになる。

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雛祭りが終わると、間もなく
「卒業式」シーズンとなる。
今年は桜の開花が早そうなので、
関東近県では入学式まで桜がもたず、
卒業式に桜の下で記念写真が撮れる
という珍しい展開になる気配が
濃厚だ。

卒業式が終われば入学式。
そして、息つく間もなく
ゴールデンウィーク。
あれよあれよと梅雨。
梅雨が終われば夏休み。

そんな具合に、四季の移ろいが
ハッキリしている日本では、その
移ろいに応じて様々なイベントが
目白押しである。

日本の小売は、この四季の移ろいを
利活用して、店頭での賑わいを上手に
演出している。
「マーケティング・カレンダー」と
俗に言われ、季節に応じてどんな
祭事を当てていくか、スケジュール化
している場合が多い。

今なら「雛祭りセール」だし、
卒業シーズンの前に「ホワイトデー」
商戦が待ち構えている。
そして卒業、入学、あるいは入社という
「新生活」応援の商戦。
といった具合に、四季折々のイベントに
合わせてどんな商品を主役にし、
販促を仕掛けていくかが決まっている
というわけだ。

日本ほど、きめ細かく店頭をクルクル
変えていく国は珍しいはずだ。
これも、国民性の成せる業なのだろう。
そして、その国民性というのは、
四季が移り変わるという環境が
多大なる影響を与えているゆえだと
思われる。

普段だったら買わないものも、
季節のイベントを理由に販促されて
いるのを見ると、つい
「折角だから買っておくか」
という気持ちが沸き起こりがちだ。
この、「折角だから」というのは、
大変に強力な力を持っている。
だからこそ、小売店の側もわざわざ
力を入れて、売場をしっかりと構築
してまで販促するのである。

以前、ロクシタンという化粧品会社に
勤めていたが、ここでは年間15回前後
も店頭を模様替えしている。
季節性を考慮しながら、毎回販促の
主役となる商品ラインを押し出し、
店頭を賑やかしているのだ。

この、季節に応じてきめ細やかに
店頭の賑わいを作り込んでいく、
そのような販促が、日本のお客様には
とても受けが良い。
「今だけ」「この季節だけ」という
限定性が、心理的な後押しをして、
売上にも大きな寄与をしてくれる。

消費者、お客様は、季節の移ろいを
愛でることに大きな喜びを感じる。
自分自身も、巡りくる季節を
大いに愛でつつ、
お客様に「季節を愛でる喜び」を
提供し続けたいものだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。