見出し画像

魔法の杖を期待してはならぬ

マーケティングという職種柄、
広告代理店と一緒にお仕事をする
ことが多い。
TVCMをはじめとする制作物、
「クリエイティブ」と呼ぶが、
このクリエイティブ制作にあたり、
広告代理店の手を毎回借りることに
なる。

まず最初に、我々の方が何をつくり
たいのかを、簡にして要を得た内容
にて書面化する。
これを「ブリーフ」と呼ぶ。
この「ブリーフ」を元に、
「ブリーフィング」すなわち
依頼の要旨説明を行う。

「ブリーフ」に必要なことを全て
盛り込み、それでいてダラダラと
長くならないように簡潔に収める
のには、ある程度トレーニングや
「慣れ」が必要だ。

必要不可欠な最低限の要素を漏らし
てしまうと、画竜点睛を欠く制作物
になりかねない。
それゆえ、制作物を通して実現したい
ことは、抜け漏れなく書く。

何度も見直して、書き切る。

逆に、あれもこれも盛り込みたく
なる気持ちを極力抑え、シンプルに
徹する
必要がある。
そうしないと、広告代理店も制作物の
方向性を定めにくく、あれもこれも
実現しようと二兎を追った結果、一兎
をも得ずな結論となりかねない。

クリエイティブを創ってくれる広告
代理店は、適切なブリーフィングさえ
すれば、見事な仕事をしてくれる。
反対に、ブリーフィングが拙ければ、
残念な仕事に直面する
ことになる。

そんなことは分かり切っている。
しかし、それは「つもり」に過ぎな
かったかもしれない。
上司に、

広告代理店は「Magic Wand(魔法の杖)」を持っているわけじゃない

という一言をもらい、いたく反省を
した。

丁度今、いくつかブリーフを書き上げる
必要に追われているのだが、改めて
推敲すると、広告代理店を魔法使いで
あるかのように扱っていると言われかね
ない内容が見つかり、慌てて書き直しを
進めている。

自分たちだけでは出来ない仕事を
広告代理店に頼むにあたり、
出来ないなら出来ないなりに
自ら汗をかいて調べておいたり、
徹底して分かりやすくかみ砕いた
表現を使ったりするなど、
丁寧な仕事をすべきだ。
粗い「やっつけ」仕事は、相手にも
透けて見える
こととなり、結局は
信用、信頼の構築に影を落としかね
ない
ものである。

「忙しい」とか、
「バタバタしている」とか、
「パツンパツンで」とか、
色々言い訳が口を突いて出そうになる
ところをグッとこらえ、
自分は本当にこれで「仕事」をした
ことになるのか、自問自答する。
相手が「魔法の杖」を振って、奇跡を
起こしてくれるのを期待していないか
と戒める。


以上が、今日の反省。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。