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「禅」をマネジメントに生かす

3年半ほど前に、ほぼ「ノリと勢い」で
自分の会社を作ってみることにした。
名前を色々考えた末に、
「エン・マーケティング合同会社」
と名付けることにした。

「エン」という言葉に、色々な意味が
込められている。

「縁」
人とのご縁、会社とのご縁、
ご縁、言い換えればネットワーク
これによって生かされてきたし、
今後もそうだろう。
そんな思いもあり、「縁」を大切に
したいという意味。

「円」
世の中をまあるく収める、
調和させる、そんな仕事ぶりが
できたらいいなぁという思い。

「En」
これは、英語の接頭辞で、
「~ならしめる」という意味になる。
「Enable」なら「できる(able)ようにする」、
「Enpower」なら「権限(power)を与える」、
「Enjoy」は「楽しく(joy)すごす」。
自分がお客様に何らかの価値をお渡しすることで、
お客様が「できるようになった!」という
結果を引き出したい、そんな意味合いだ。

経営思想家の小森谷浩志さんが、
この度『ZEN 禅的マネジメント』
という書籍を出版された。

禅の基本テキストである「十牛図」
新しく解釈し直し、人生を生き直すための
ガイドとして活用できるよう仕立てている。

「ZEN MANAGEMENTサイクル」という
項において、「ZEN」という言葉について
解説があるとともに、漢字に当てはめた
ときの広がりについても言及がある。

もちろん、真っ先に当てはめるべきは
「禅」なのだが、それ以外にも
「善」
「然」
「全」

という、どれも深遠な意味がこもった、
素晴らしい言葉たちがみな同じ
「ZEN」という読みであることに
ハッとさせられる。

その上で、

「善き出会いをいただき、囚われを離れ、全体性へと戻っていく道としての禅」を加味して「ZEN MANAGEMENT」サイクルと呼ぶ

『ZEN 禅的マネジメント』160頁

として、そのサイクルを実際に図示されている。
(実際の図は本書をあたられたい。)

本来意味の異なるこれらの言葉が、
偶然にも同じ「ZEN」という読み方を
する点に気付き、「十牛図」と重ね
合わせながらこのようなモデル化
果たされているところが興味深く、
本書を読んでいて最もワクワクした
ところであった。

それは恐らく、自分自身が
「En」と「縁」と「円」から、
「エン」という名前を会社にしたことと
共通項を感じているからなのだろう。
「音」「響き」から着想を得る
言い換えれば「語呂合わせ」なのだが、
学ぶ方からしても覚えやすくなるし、
作った側としても「つながった!」と
いう感覚があったに違いない
と思うのだ。

ネタバレになるので、あえて内容には
ほぼ触れないようにこのエントリーを
書かせてもらっている。
詳しくは、是非本書を読んでいただく
ことを勧めたいのだが、最後にもう少し
だけ補足を。

「禅」とタイトルにあるだけあって、
禅僧の方々の珠玉の言葉が、
あちらこちらに宝石のように
散りばめられている。

冒頭の、藤田一照氏との対談だけでも
元が取れる価値がある。
それ以外にも、白隠禅師の「天国と地獄」
についてのお話など、示唆的な言葉が
豊富だ。

加えて、欧米の経営学、心理学の豊富な
知見から、重要なエッセンスを数々引用
してあり、それらも非常に分かりやすく
まとまっている。

30代後半、40代前後の悩めるビジネス
パーソンが、これからの人生をどのように
効果的にマネジメントしていくか
を考える
上で、一度手に取ってみて損はない。
そんな書籍であった。


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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。