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高校野球の持つ本質的な価値

夏の全国高校野球大会、
通称「甲子園」の季節が今年も
やって来て、毎日その様子がTVで
中継されている。

昨日、神奈川県代表の慶應義塾高校
登場し、北陸高校を破って、次に
駒を進めた。

慶應の監督を務めるのが、森林貴彦監督
たまたまご縁あって、学生時代に一緒に
勉強をさせてもらっていたため、
ついつい彼の動向が気になってしまう
ところ。

実は、2020年に著書を出しており、
その『Thinking Baseball』から一部
抜粋する形で、「Number」の特集記事が
Web上で読めるようになっていたので、
思わず読みふけってしまった。

学生時代からとても真面目、
かつ熱心に野球と向き合っていた
森林監督。
いや、野球だけでなく、人生そのもの
との向き合い方が「熱心」であり、
「真摯」であった
と言うべきか。

その頃の熱心さ、真摯さを失わず、
むしろ磨きがかかるような形で、
高校野球の指導に長きにわたって
向き合ってきたことがヒシヒシと
伝わってくる。

高校野球界の「常識」に疑問を投げかけ、
その本質的な価値を見直していかない
限り、衰退してしまうのではないか、
そんな危機感を露わにする。

その「価値」とは何か。
彼は3つほど挙げている。

1.困難を乗り越えての成長というプロセスを経験できること
2.自分自身で考えられることの楽しさを味わえること
3.スポーツマンシップを身に付けること

詳細は是非「Number」の記事、
いや出来るなら彼の著書を
ご覧いただきたいところである。

他の名門校の場合だと、甲子園で
活躍して、そのままプロを目指したり、
大学野球や社会人野球を経由して
プロないしセミプロを目指すような
生徒も多いだろう。

しかし、慶應義塾高校の生徒たちは、
プロを目指している生徒は皆無では
ないかもしれないが、確実に少数派
である。

そんな彼らが、高校野球に一生懸命
取り組んで、何を得るのか

野球が上手くなる、ということ以外に
どんなことが得られれば良いのか。

生徒の立場、気持ちを推し図りながら、
かといって迎合することなく、
3年間部活に取り組んだ先に何を
見せてあげれば良いのか。

その問いに真剣に向き合った答えが、
上記の3つの価値なのだ。

どれもこれも、野球を離れたところで
普遍的に活かすことのできる、
極めてファンダメンタルで、
かつ実践的な内容
だと思う。

最後の「スポーツマンシップ」が、
ピンと来ないかもしれないが、
彼によると以下のような内容である。

相手、ルール、審判を「尊重」し、敬意を持って接する。「勇気」を持っていろいろなプレーに挑戦し、強い相手にチャレンジしていく。どんな結果になろうとも、「覚悟」を持って、きちんとそれを受け入れる。

チャレンジスピリッツ」とでも
言い換えれば良いだろうか。
リーダーシップ」と呼んでも
差し支えないかもしれない。

野球に取り組むことを通じて、
社会で必要となる基本的な精神を
インストールされた生徒たちは、
甲子園で活躍するだけでなく、
その後の人生で素晴らしい活躍を
果たすに違いない。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。