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社会課題を創造的に解決したホンジュラスの事例

今日は海外の事例をご紹介します。

最近知ったばかりなのですが、
WARCというイギリス起点の
マーケティング支援会社があります。
1985年創立のようなので、
間もなく40年が経つところ。

そのWARCが、
「Creative 100」というランキングを
毎年発表していて、創造的な広告や
販促を表彰しています。

つい先月、2024年版のランキングが
発表されました。

そこで、No.1のキャンペーンだと
評価されたのが、南米ホンジュラス
実際に流れた「Morning After Island」
という一連の広告作品。

どんな作品だったのかを、
簡潔にご説明してみようと思います。

背景として、ホンジュラスという国では
避妊用ピルの使用が、つい最近まで禁止
されていました。

元々、文化的、宗教的理由があっての
禁止だったようですが、
このような規制が現存していたのは
南米諸国の中でもホンジュラスただ一国

だったとのこと。

政府によるその規制を、何とかして
ひっくり返したい。
それが動機となり、創造的なアイデアを
模索
したのです。

目的として、緊急避難的なピルの使用を
求める請願への署名
という行動を、
できるだけ多くの人から得ることが
設定されました。

それを実現する手段として、
ホンジュラスの沖合、法的管轄の及ばない
公海上にまで短い旅をするツアー
を企画、
応募した女性にピルを渡して参加して
もらい、その沖合でピルを飲んでもらう
のです。

そして、ツアーの一連の様子を撮影し、
シェアしやすいように短く編集して、
SNSで拡散を図った
のでした。

そのビデオには、CTA*(Call To Action)
として「賛同したら署名してね」と
いう内容を添えていたのですが、
それがしっかりと効果を発揮し、
世界中から200万を超える署名
集まったとのこと。

CTA
「Action(行動)を引き出す言葉やモノ」
こちらも参照ください。

この広告の帰結が、とても素晴らしい。
なんと、ホンジュラス政府(大統領)は、
この請願に対してすぐさま反応
したのです。
即ち、2023年に緊急避難的ピルの使用が
遅まきながら法的に許容されるに至った

ということなのです。

これにより、望まない妊娠をさせられた
女性たちが、緊急避難的にピルを使用する
ことが合法となり、「社会課題」が一つ
解決
したわけですね。

タグシデルパ(ホンジュラスの首都)にある
オグリビーという著名な広告会社の支社が
制作したこの作品、日本語に翻訳されている
記事がパッと見では見当たらなかったため、
ご興味ある方は直接上記のサイトで
英語のビデオをご覧になってみてください。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。