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あえて業界トップを追いかけない

昨日、日経クロストレンドの記事を
再構成した日経MJの記事、湖池屋の
佐藤章社長へのインタビュー
内容を
紹介した。

もう一つだけ、是非取り上げたい
ポイントがあったので、
本日紹介させてもらう。

それが、
「競合は見ない」
言い換えれば
「あえて業界トップを追いかけない」
という方針である。

湖池屋は、ポテトチップス市場
では2位。
圧倒的な1位を誇るカルビーの
後塵を拝している。

しかし、日本において市場を
切り開いた元祖は湖池屋。
『ポテトチップスのり塩』
1962年に発明し、1967年に
日本で初めて量産化に成功した
歴史を誇っているのだ。

そんなアイデンティティーが、
佐藤氏には湖池屋の「強み」
あり、それを成し遂げるR&Dの
能力が「強みの源泉」であると
見えたのだろう。

湖池屋に来て最初に感じたのは不毛な価格競争に陥って、お客様より競合の顔ばかり気にしていることだった。他社をまねしても、追いかけてもダメ。(中略)アイデンティティーを呼び起こすために、お客様と向き合って高品質でオリジナリティーのあるものづくりに振り切った

太字(強調)は引用者

それゆえ、湖池屋では

「(業界トップの)カルビーを絶対に見ない、同じことはしない」ということを徹底

太字(強調)は引用者

しているのだという。

ポテトチップス市場のシェアは、
カルビーが7割、湖池屋が2割
当然お客様のニーズを捉えている
会社がシェアを大きく奪っている

はずだから、フォロアーである
2位以下の企業は、トップ企業の
モノマネに走るのが鉄板な対応だ。

そこをあえて、フォロアー戦略は
とらない、オリジナリティーある
ものづくりに振り切る
、そのように
宣言して、かつそれをやり切って
しまう
ところに氏の凄みを感じる。

確かに、『プライドポテト』が発売
された当初は、我が家でもかなり
頻繁に購入した記憶がある。

日本におけるポテトチップスの
元祖的な存在である湖池屋が、
いよいよ本気を出した、
自分たちのプライドをかけて真に
おいしいものをつくった

そのようなメッセージがヒシヒシと
伝わってくる発売だったのだ。

「プライド」と冠した名前に加え、
これまでにない白地のパッケージ、
原料となるじゃがいもへのこだわり、
更には皮のむき方やカット方法、
揚げる温度や時間に至るまで、
良いものをつくるために惜しみない
努力
をしたことが店頭できっちり
伝わってきた。

それは、価格でも表現されていた。
従来のポテトチップスの価格より、
若干プレミアムな設定。
それでも、食べてみたい、買って
味を確かめてみたい、そう思わせる
だけのパワーを込めた商品
だったと
評価できるだろう。

良いものをつくってさえいれば、
いつかお客様は分かってくれる、
というのは幻想にすぎない。
しかし、良いものをつくらねば、
いつまで経ってもお客様にご愛顧
いただくことはできない。

競合を見ていれば、そしてそれを
マネしていれば、お客様にご愛顧
いただけるのか。
人口が伸び、市場が伸びていた
かつての日本では、それでよかった
かもしれないが、今それをやった
ところで自滅以外の道は見えない。

湖池屋のアイデンティティーを
素早く見抜き、あえて競合のマネを
せずに、独自の強みを活かす方向へ
資源を集中させる
ことで、大復活を
先導した佐藤社長。

その慧眼で、今後もヒットを連発して
いくだろう。
今後、より注意深く動向を追いかけて
いきたい、そう思わせてくれる記事で
あった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。