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音読で輪読する読書勉強会の効用

ゴールデンウィークの間、毎朝8時から
読書勉強会を主宰している友人がいる。
人生の先輩であり、ビジネスパーソンと
しての確固たる実績もお持ちのその方が、
「目覚まし代わり」と謙遜気味に表現
されているその勉強会に、昨日、本日と
顔を出させてもらった。

本をテーマにした勉強会には、
これまでも沢山参加してきたが、
参加者が輪読するタイプの会に出たのは、
実は今回が初めてである。

昨日の時点では、頼んでおいた課題図書が
まだAmazonから届いておらずに
「聞き専」となってしまったのだが、
その後に無事書籍が届いたので、
今日からは晴れて「輪読」の読み手にも
なることができた。

この、輪読するタイプの読書勉強会には、
どんな効用があるのか?

何百回とファシリテーションの回数を重ね、
読書勉強会を語らせたら右に出る者はほぼ
いないであろうその友人の言葉を借りると、

「脳内回路のストレッチ」
「知識獲得と基礎言語能力の向上」
「対話による自己成長」

これら3つに集約されるようだ。

輪読時に、一人が声に出して読む。
この声に出すということは、普段意識して
やっていないと、結構回路がなまって
しまっているもの。
改めてやってみると、皆一様に「快」を
感じるのではなかろうか。
「うーん」と思いっきりストレッチをした
ときに感じる心地よさを、
音読によっても得ることができる。

「声に出す」といえば、随分と前になるが、
斉藤孝さんのこの本が大ベストセラーとなり、
私の書棚にも並んでいる。
良い言葉で喉を震わせると、体全体に良い
振動が行き渡り、気持ちも体も良い方向に
反応する
のではないかと思うところ。


2つ目の「知識獲得と基礎言語能力の向上」
ついては、選ぶ本によって得られる内容が
変わってくるところ。
間違いのない良書を選びさえすれば、
有益な知識が得られ、その知識を巡っての
他者との対話の中で、言語を操る能力を
高めることができるのは疑いない。

もちろん、読書勉強会ではなく、独りで
本を読むだけでも目的を達することは可能。
しかし、他者がいる、即ち「衆人環視」
状況においては、知識獲得も言語能力向上も
より密度高く、効率よく進められることが
期待できる。

最後の「対話による自己成長」
ここが読書勉強会の白眉であろう。
同じテキストを読んでも、解釈は千差万別。
個人が、各々持っている異なる文脈の下で、
本という媒介物を通じて紡ぎ出される感想、
意見、疑問、そういったものをやり取りし、
互いに理解しようと努めることにより、
成長が促される。

より具体的には、自分の考えを論理的に、
分かりやすく他者に説明する練習になる
ことや、自分だけでは考えもつかなかった
ような新しい視点が獲得できることなどが
挙げられるだろう。

もう一つ効用として挙げられそうなのが、
「自尊心の高揚・向上」である。
輪読して、自身の感想を述べるのだが、
その内容は意図せずとも「自分ならでは」
のユニークなものとなる。
それを皆が受け止め、
「そういう考え方があったのか!」
「それは興味深い視点/考察だ!」
といった具合に対話が生まれると、
自身の承認欲求は着実に満たされていく。

よい読書勉強会を開くには、
参加者の質の担保と、ファシリテーターの
スキルもまた重要なポイント。
気持ちの良い空気の流れる「場」を作り、
豊かな学びをもたらしてくれる友人には、
ひたすら感謝しかない。
自分自身でも、今後是非読書勉強会を
主宰・企画してみたい、そう思う体験と
なった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。