見出し画像

ラストワンマイルをピンチからチャンスに変える

先週の主催セミナーでテーマとして
取り上げた、マーケティングの4Pの
うちの一つ、「Place」について、
今日も少しばかり補足的なことを
書いておこうと思う。

「ラストワンマイル問題」
というのがある。
宅配で、地域にある物流拠点から、
最終的に受け取るお客様の玄関先
までの「最後の1マイル」を、
どのようにサービス提供するのが
よいか?という問題だ。

お客様がもし不在だと、
以前は何度も行ったり来たりする
必要があり、それがムダな費用を
多く生んでいた。
トラック並びにドライバーの稼働、
余計に走る分のガソリン、その他
間接費がムダにかかるわけだ。

しかし、やがてドライバーの携帯に
直接連絡をしてスキマ時間に再配達
を頼めるようになったり、
あるいは再配達受付センターを活用
する動きが出て来たり、
そもそもの時間指定がかなり詳細に
できるようになったり、
といった具合に進化している。

受け取り側も、宅配ロッカーのような
サービスを使える家が増えて来たり、
直近では「置き配」を許容さえすれば
スムーズに受け取れるようになったり、
あるいはコンビニ受け取りのような
店舗、店頭で受け取り可能なサービスを
使う人もいたり、といった具合で、
確実にムダを減らす方向へと
社会は動いている。

このように、物流にかかる費用は、
「コスト」として認識されている。
つまり、減らせば減らすほどよい、
できるだけ効率化したい、
そういうものだ。

そんなあらかたの認識を覆す形で、
サービス展開している事業者がある。

コロナ禍で、通販、特にECの販売は
好調に推移している。
いわゆるネットスーパーなども順調に
ビジネスを拡大しているようだ。
そんな中、ネットスーパーとしのぎを
削るセブンイレブンが、ネットコンビニ
事業を強化している。

ここで興味深いのが、この自宅までの
お届けを担当している別会社、
「GENie(ジーニー)」の存在だ。
何と、お届けサービスを担う担当者を
「ハーティスト」と呼んでいる。
文字通り「ハート」、要は真心を込めた
サービスを提供しますとばかり、
顔の見える地域密着な物流サービスを
展開しているというのだ。

これは、現在の高齢社会化した日本に
おいて、極めて有用で有益なサービス
だと言えるのではないか。
お年寄りの「見守りサービス」との連動も
行うなど、地域に根付く形でのサービス
展開を可能とするビジネスモデルは、
今後ニーズが増えることこそあれ、
減ることは想像できない。

単なる「コスト」として、できる限り
節約する方向へ行くのではなく、
物流的な価値に「真心」「見守り」と
いった付加価値を足すことで、
他社と差別化を図っているのである。

ローソンは、ウーバーイーツと提携、
ファミマも似たような事業者と提携する
などしているが、自前のインフラを着々と
築き、付加価値を高めたサービスを
展開するセブンイレブンは、さすがだと
言えるだろう。


もう一つおまけ。
セミナーの中でも触れたのだが、
やがてラストワンマイルはドローンが
担うのではないか、そんな未来も
遠くなさそうだ。
実際にサービス展開している事例に、
下記の楽天ドローンがある。
現状は離島などに限られている様子だが、
近い将来、全国中を飛び回ることに
なるのだろう。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。