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「お客様」とは誰なのか?

マーケティングでは、「お客様」という
言葉は極めて重要な意味を持つ。
いや、マーケティングに限らず、経営に
とって「お客様」の存在は欠かせない

ものであり、生死を決するほどの極めて
大切な存在である。

企業は、中長期にわたって存続することが
使命として課せられている。
世の中に価値を届け続けることで、
お客様からの支持を受ける。

そうして初めて、利益を出し続けることが
でき、市場で存続することを許されるわけだ。

この文脈で言うと、「お客様」とは、
企業にお金を払ってくれる人、という
ニュアンスが濃い。
「お客様」=「購入者」
ということである。

しかし、「購入者」が唯一の「お客様」と
規定してしまうわけにはいかない。
「購入」していない「お客様」というのも
存在するからである。

いわゆる「お客様」には、いくつかの
異なる意味合い
が含まれている。

「消費者」(Consumer)
「購入者」(Shopper)
「使用者」(User)
「顧客」(Customer)

これら4つで、重要なものはほぼ網羅
されていると思われるが、もし他に
漏れていると思しきものがあるようなら、
是非ご教示いただきたいところ。

「消費者」
文字通り、消費する人である。
消費するという意味の「Consume」は、
「使い尽くす」というニュアンスが強い。
日本語の「消費」も、「消す+費やす」
なので、かなり原義に忠実な訳だなぁと
変なところに感動。

「購入者」
お金を直接支払って購入・決済する人。
少なくとも売る側の視点からは、
この人こそがまずは大切にすべきお客様
となる。
仮にその先に真のお客様がいたとしても、
インターフェイスとしては「購入者」で
あるのは間違いない。

「使用者」
自分では購入せずに、親に買ってもらう、
恋人や友達に買ってもらう(ねだる)、
そうやってモノを手に入れて使う人も、
ある意味お客様となる。
使ってみて気付いたことをフィードバック
してくれるかもしれないし、口コミで周囲に
広げてくれるかもしれないという意味で、
ないがしろにすることは避けなければ
ならない。

「顧客」
顧みの客、つまり何度も何度も戻ってきて
くれる、とても重要なお客様
である。
「Customer」には「Custom」(習慣)
いう言葉が含まれている通り、何度も
習慣的に買っていただくというニュアンス
があるのだ。

こういった形で、意味合いが微妙に異なる
「お客様」の定義が存在するのだが、
普段自分たちが「お客様」という言葉を
使うとき、その違いに敏感になっている
だろうか?

自分が提供しようとしている製品・サービス
について、その「お客様」は上記のうちの
どれに当たるか意識しているだろうか?

この微妙な違いを意識することで、
必要な打ち手が変わる可能性も十分ある。
是非、敏感になっておきたいものである。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。