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GODIVAよ、どこへ行く?

近所のスーパーで、入口付近に大量に
陳列されていたのが、GODIVAの新作
であるこちら。

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もう一つ、ショコラブレッドもあったが、
気分的にこちらを選んで食べてみた。

お値段が税込でほぼ200円。
GODIVAのショコラ1個よりもお安い
値段なので、正直なところ
「味が期待外れでも仕方ない」
というつもりで買ってみた。

この手の菓子パンは、濃厚さと甘みで
味が誤魔化される気がする。
かなり「しっとり」感が強く、
舌にまとわりつく味わいだ。
もちろん美味しいのだが、まぁお値段
相応なのかな、という印象である。


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表面は完全に「GODIVA」なのだが、
こちらの裏面を見ると分かる通り、
GODIVAが単独で商品化したのではなく、
Pasco(敷島製パン)との共同開発商品。
コンビニでの発売を二週間ほど先行させ、
今月からはスーパーへの展開が始まった
ようだ。

こちらが発売時のプレスリリースだ
ある通り、Pascoが主導した商品である

Pascoとしては、高級チョコレートの
代表格であるGODIVAブランドの名前を
借りることができるのは、販売戦略上
大変に有意義であろう。
従来の自社商品に比べて、当然ながら
高単価での取引が可能になる。
コストも当然上がるとはいえ、十分に
そのコストを吸収できる価格設定を
行えばよいだけであるし、逆にその
ような価格設定が出来ないようだと、
そもそもの商品コンセプトが誤って
いたと言わざるを得ない。

では、GODIVAの方にとってメリットは
何であろうか。
その前に、リリースから一部引用する。
(強調は筆者)

Pascoとゴディバの両社は、この度、「日常の中でお客さまに心地よい体験を提供したい」というコンセプトのもと、共同開発による新商品を発売いたします。
開発にはゴディバの日本市場で展開する新商品の開発を担う、ゴディバ エグゼクティブシェフ・ショコラティエ/パティシエ ヤニック・シュヴォロー氏が直接携わり、パッケージにはGODIVAのブランドカラーを使用し、GODIVAロゴを大きく配置して高級感を演出しました。
ベルギー産チョコレートと、パンとの融合による豊かな味わいをお楽しみいただけます。

表面のパッケージに、GODIVAロゴを
大きく配して、Pascoのロゴが一切ない
のが気になっていたが、
GODIVAの新商品開発責任者が直接
携わったという、コミットメントの
強さが表れているのかもしれない。
あくまでもPascoが製造販売の責任を
持ち、プレスリリースも主導している
商品だが、GODIVAもかなり力を入れて
取り組んだ跡が見える。

GODIVA側のメリット、それはズバリ
売上(利益)拡大であろう。
今回はあくまで監修料、ブランド利用料
の形で、販売額の一定割合を徴収する
ものと思われる。

しかし、この打ち手は、諸刃の剣。
これまで営々と築いてきたブランドの
資産を、食いつぶしている可能性が
高い。
本来売れて欲しい、デパートなどで
販売している高級ショコラたちの
ブランドイメージを毀損するリスクが
あるからである。

実は、今回に限らず、昨今のGODIVAは
色々と新たな試みを模索している。
例えば、ハーゲンダッツの独壇場と
いえるプレミアムアイスクリームの
市場に果敢に挑んでいるのも、その
うちの一つだ。

コンビニやスーパーという販路は、
これまでほとんど重視してこなかった
はずだが、こうして積極的にアプローチ
している背景には、従来のチャネルだけ
では期待している売上(利益)が得られ
ないという判断があるのだろう。
従来のチャネルに固執していては、
ジリ貧になるというのも分かる。
とはいえ、消費者が抱いているGODIVA
ブランドのイメージ、高級感、期待感、
憧れというものが、どこまで保たれる
のか、そこが心配である。

新しいチャレンジが、
吉と出るか凶と出るか。
服飾系のブランドに比べて、
足の速い食品カテゴリーの場合は、
上記のような心配が杞憂に終わる
可能性もなきにしもあらず。

GODIVAの動きにはいつも注目してきた
が、今後もまだ目が離せない。

(最後に、先月書いたGODIVAの記事も
貼り付けておく。)


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。