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増殖する「まいばすけっと」

主催しているマーケティングのセミナーを
週末の土曜日に開催した。
オンラインで月一、6か月にわたり
マーケティングの基礎をお伝えしていく
ものだ。

お陰様で、今回が第4期の5回目。
つまり、2年弱にわたり続いている。
土曜日のテーマは、「販路と売場」
マーケティングの4Pで言うところの
「Place」である。

商品(製品+サービス)とお客様との
接点が、販路であり売場である。
時代の移り変わりとともに、この販路や
売場もまた様変わりしている。

どんな販路、売場があるのか、
それぞれの特徴を挙げながら、
色々説明をしていった。

販路として、様々な業種業態があるが、
パッと思いつくのはどんなところだろうか?
スーパー?
コンビニ?
ドラッグストア?
ホームセンター?
デパート?
ショッピングモール?
・・・

一通り、誰もが認識・把握しているものを
説明するわけだが、中には
「これってどこに分類されるのだろう?」
というようなものが存在する。

例えば、ドン・キホーテ
「ディスカウントストア」だというのが
一般的な認識だと思うが、エンタメ性の
高い売り場づくりを踏まえると、実は
「バラエティストア」に近いのではないか?
と言えなくもない。
しかし、生鮮食料品も取り扱っている
ところを捉えると、「スーパー」ではないか?
と言っても間違いではなさそうだ。

そして、タイトルにある、まいばすけっと
イオングループが展開する比較的新しい
業態である。
「小型スーパー」という認識であるが、
実際のところ直接的に悪影響を被っている
のは「コンビニ」ではなかろうか?

この「まいばすけっと」、創業は2005年の
12月
というから、まだ16年ほどの歴史しか
ない。
しかし、首都圏では最近やたらと存在感を
示しているように思う。
実際、今年の年初に1,000店舗目をオープン
したとのこと。

コンビニのような気軽さで通える立地。
24時間営業ではないにせよ、朝早めの開店から
深夜までの営業で、コンビニにかなり近い営業
時間を確保。

それでいて、生鮮食料品をしっかりと取り扱い、
スーパーも真っ青の品ぞろえを展開。

コンビニとスーパーを足して2で割ったような、
非常にユニークなポジション
が功を奏している
ように見えるのである。

最近、コンビニで地場の野菜を取り扱っている
のに出くわすことが増えている。
これなどは、まいばすけっとにお客様を
奪われているコンビニ側の逆襲に違いない、
そう思っている。

スーパーにせよ、ドラッグストアにせよ、
コンビニにせよ、これまで通用してきた
業態間の垣根を取っ払って、新しい業態を
生み出す
、そんなチャレンジをする企業が
これから更に出て来て、成功を収めていく
のではなかろうか。

過去の社会状況に適合していたからと言って、
現在、あるいは未来の社会状況に適合する
とは限らない。
むしろ、過去に適合していたならば、
未来には適合することが難しい可能性が高い
かもしれない。

未来のお客様が何を望むのか。
それを見据えて、過去の業態定義にあまり
こだわらずに、お客様の喜びや利便性を
トコトン追求するところに、成功がある

のではないか。

その点、まいばすけっとは、コンビニの
ような利便性で、スーパーのような生鮮
食料品を調達したい、そういうニーズを
上手に捉えた
ところが秀逸だった。
だからこそ、勢い衰えずに1,000店を
突破してきたのだろう。

拡大路線の基調は変わらないだろうが、
今後どうやって成長を維持するのか、
興味が尽きない。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。