見出し画像

パーパスを折に触れて説く

写真は、1890年に開業した、
帝国ホテルの初代本館
だという。
こちらは、月刊誌『致知』に載っていた
広告紙面を撮らせてもらったもの。

表紙を開いてすぐのところ、
いわゆる「表2*」と呼ばれる場所に
展開された、1ページ広告の一部である。
その広告の全体は、以下のようなものだ。

*表紙前面を「表1」、その裏側を「表2」、
裏表紙は「表4」、その裏側を「表3」と
呼ぶ習わしになっている。

昨年の大河ドラマの主人公であり、
間もなく切り替わる一万円札の顔であり、
日本屈指の実業家であり、
明治維新期の日本で八面六臂の活躍を
果たした男。
渋沢栄一は、帝国ホテルの初代会長でも
あったのだが、その彼が残した言葉を
ストレートに広告に掲載し、思わず目を
惹かれた。

読んでいただければ分かる通り、
帝国ホテルがいかに意義の深い事業を
行なっているか、
それらの仕事が非常に大変だということに
理解を示して、従業員をねぎらいつつ、
その意義の中身を簡潔ながらも具体的に、
誰にでも分かりやすく説いている。

トップの仕事というのは、
それこそ山のようにあるだろうが、
従業員に事業の意義を説く、説き続ける、
理解するまでトコトン説きまくる、
これこそが重要
だろう。

ちょっと前までは、
「ヴィジョン、ミッション、バリュー」
を3つワンセットで、ということが多かった
気がするが、最近では「パーパス」
取って代わられた感が強い。
そんな話は、最近のエントリーでも
少しばかり触れたばかり。

去年の夏になるが、こんな記事も書いていた。

自分たちが仕事をする意義、
何のために仕事をするのかの意味、
すなわち「パーパス」を、
日々頭の中で反芻しながら、
意識の中に留め置きながら仕事する
ことができたなら、仕事の質は自ずと
上がる
のではなかろうか。

「疲れた~!」
と思っても、ふとパーパスを思い出して
自然と背筋が伸びる。

「もう嫌だ~!」
というような事件が起こっても、
パーパスに立ち戻って、
何とかひと踏ん張りしようと
気を取り直す。

そんな力が、「パーパス」にはあるはず。
だからこそ、トップに立つ者は、
折に触れ、何度も何度もしつこく
「パーパス」を繰り返し説き続けることが
必要だと思うのだ。

渋沢栄一は、「パーパス経営」などという
言葉を知る由もないわけだが、
パーパスを末端にまで知らしめることの
重要性は肌感覚で分かっていた
のだろう。

彼の邸宅があった北区の飛鳥山。
そこにある「渋沢資料館」に、
行こう行こうと思いつつ、
未だに来館を果たせていない。
大河も終わり、少しは空いたであろう。
そろそろ自分自身の襟を正しに
お邪魔しようかと思っている。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。