見出し画像

ネット上の拡散を狙った屋外広告

2月の受験シーズン。
非常にユニークな屋外広告が
Twitterなどで話題になっていた
のをご存知だろうか。
Yahoo!ニュースでも下記の通り
取り上げられていた。

巨大な横長の広告に、
「墾田永年私財法」
の文字が書かれていたり、
他のバリエーションとしては
「移動する点P」
「教えてあげようか?」
「部分分数分解」

などなど10種類以上ある。

全ての基本フォーマットが、
「受験生に聞きました。」
で始まっており、
続く質問への答えを、
とても大きな文字で目立つように
レイアウトしている。

なので、先の事例で言えば、

受験生に聞きました。受験勉強で覚えた、「語感の気持ちいい言葉」とは?

の回答が「墾田永年私財法」であり、

受験生に聞きました。数学を勉強してて腹が立ったことって?

の回答が「移動する点P」となっている。

大きな文字を読んだだけでは、
正直なところ「???」だが、
「一体何の広告?」と思わせて
興味を惹きつけ、残りの部分も
読みたくなるように仕掛けた

いうわけだ。

この広告を作ったクリエイターさん
にインタビューした内容が
『ブレーン』という雑誌に載って
おり、それによると、張り詰めた
状況の中で頑張っている受験生に、
少しでも「ほっこり」してほしい、
ちょっとでも心を和ませてほしい、
そんな意図で制作した
そうだ。

体調管理の大切さをうたい、
健やかな生活をサポートする
明治プロビオヨーグルトR-1
広告なのだが、肝心の商品の
名前が全く頭に入ってこない

いうコメントがYahoo!ニュース
では紹介されていて、笑える。

ただ、こうやって話題性のある
広告としてあちこちで拡散
され、
しかもその内容が受験生の力に
なりたい、応援したい、という
真摯な気持ち
を感じることの
できる内容であったことにより、
「R-1」のブランド価値は間違い
なく高まっただろう。

話はそれるが、「墾田永年私財法」
の語感が気持ちいいというのは
全く同意だが、それ以上に気持ち
いいと私が個人的に思うのは、
「スリジャヤワルダナプラコッテ」
である。
かつてスリランカの首都はコロンボ
だったが、1985年に遷都がなされて
いる。

この都市名を分解すると、
「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」
なのだが、なぜか小学生の頃の私は
「スリジャヤ・ワルダナ・プラコッテ」
と覚えた。
この4・4・5拍子が妙に心地よく、
あっという間に憶えてしまったことを
思い出す。
ちなみに、「墾田永年私財法」も
丁度4・4・5拍子、
リズムを取りやすい語数、語順なのだ。
(最後を「しざいのほう」と読む場合
は6となるが、似たようなものだ。)

今回の屋外広告は、入念に計算された
場所、タイミング、コピーがうまく
連動
して、あっという間に話題となり
ネット上で拡散された。
今どきの広告はどれも「拡散」を
狙って仕掛けを凝らしているものが
多いが、「墾田永年私財法」は
見事にその狙いが的中した成功例と
言えるだろう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。