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「メリ消費」「ハリ消費」とポジショニング

「ハリ消費」なる言葉をニュースで
見かけた。
なんのこっちゃ?と思って見てみたら、
「メリハリ」
を分解して、「オン/オフ」でいえば
「オフ」のモードを「メリ」
「オン」のモードを「ハリ」

と表現していることが分かった。

漢字で書くと、
「減り張り」
なので、「メリ」の方は低空飛行
モードを思わせるが、むしろ
「ハリ」=アゲアゲモードとの対比
での日常モードということだろう。

この「ハリ消費」なる言葉が使われて
いたのは、サントリーの宣伝部長が、
プレミアムモルツについての新戦略に
ついて語っている記事。

高級ビールとしてのプレモルを、
今年は再定義していきたい

そんなことを考えているらしい。

記事内で指摘されている通り、
「プレミアム」
という言葉
が至るところで
使われており、ある意味
「インフレ」状態にある

というのは的確な指摘だと
思われる。
あるいは、「バブル」と言い
換えても良いのかもしれない。

そんな状況下、プレモルは一歩
抜きん出た存在になろうと考え、
「高級ビール」という本来の
立ち位置をはっきりと打ち出す

とのこと。
言い換えれば、
「ハリ消費」において選ばれる
ビールとしてのポジショニングを
改めて強化していく
ということ。
具体的に施策はこれから出てくる
ので乞うご期待、といった趣きの
インタビュー記事であった。

ビール市場の中に、
「プレミアムビール」の市場を
築き上げたたのは、恐らく
「ヱビスビール」
が最初だっただろう。
しかし、18年前にサントリーが
「プレミアムモルツ」を上市し、
着々とファンを増やして、
今や見事に「プレミアムビール」
の代名詞としての地位を獲得。

ところが昨今、様々な地ビールが
頭角を表してきて、数年にわたり
「クラフト」ブームが続いている。
このような状況において、
サントリーもプレモルに胡坐を
かいていてはまずい!という
危機感があるのだろう。
多様化した「プレミアム」市場の
中で、改めてプレモルこそが
「高級ビールの中の高級ビール」、
代表格であるとのポジショニングを
強化することが求められている

判断したわけだ。

「ポジショニング」というのは、
お客様の頭の中にある地図の、
特定の場所を占めようとする
「場所取り」の試み
のこと。
お客様が、
「美味しい(高級)ビールを飲みたい!」
と考えたときに、
「高級ビールと言えば〇〇!」
と何らかのブランドをパッと想起する。
その最初の「〇〇」になろうとする
試み
である。

外野から見る限り、ポジショニングは
十分できていると思うのだが、
常に危機感を持って、先手先手を
打っていくことで、万全を期す。
そんな、サントリーのマーケティング
巧者ぶり
の一端が垣間見える記事と
言うことができそうだ。
プレモルの一ファンとして、
面白い動きは大歓迎である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。