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代替ニーズ

先日、日経新聞にこんな記事が
出ていた。

卵の代替となる商品、
その名も「ほぼたま」。
ほぼたまごと同じ」という
ことで名付けたのだろう。
極めて分かりやすい。

大豆などで作る「代替肉」であれば
よく聞くことがあるものの、
「代替卵」なる言葉は初耳で、
つい興味をひかれた。

記事にある通り、大豆などを使って
作られたスクランブルエッグ状の
商品
である。
「大豆」と聞いてピンとくる人も
いるだろう。
そう、卵は「動物性」なのに対して
大豆なら「植物性」となり、
ベジタリアンでも食べられるもの
となるのだ。

ベジタリアンからのニーズに加え、
卵は元来アレルギーを持つ人が
多い
ので、卵が食べられない人に
とっての「代替」ニーズという面も
ある。

現状は、B2B市場、特にホテルや
飲食店向けの需要に対応している
ようだが、一般消費者からも
引き合いがあるという。
スーパーなどに商品が並び始める
のも遠くないかもしれない。

「代替」可能な商品を市場に投入
することで、本家本元の商売から
おこぼれをもらう
という商品は、
探すと結構ありそうだ。
いわゆるPB品は、NB品の「代替」を
ストレートに狙った商品である。

そもそも、市場というのは、
「代替可能合戦」を繰り広げる
戦場
だという見方もできるだろう。

昔は薪や石炭でエネルギーの需要を
満たしていたが、より安く、クリーン
な石油が登場し、続いて原子力が
参入、最近では太陽光だの地熱だの
といった代替エネルギー合戦だ。

移動手段も、その昔は駕籠だったり、
馬車だったりした。
それが、自動車になり、電車が生まれ、
飛行機まで登場して、
より早く、より遠くへ、より安全に
移動する代替手段が次々と市場に
登場してきた。

大切なのは、消費者が実際に何を
求めているのか、真のニーズを
見極めること。


人びとは、石油や石炭が欲しいのでは
なくて、体を温めたり、水を温めたり、
部屋を暖めたりする熱源が欲しい
のである。

人びとは、車そのものが欲しいのでは
ない、とまでは言えないものの、
本質的に欲しいのは「移動」であり、
その手段として使えるもの、解決策が
欲しいのである。

この手の話で最も古典的で有名なのは、
レビットという大家が語った
「人はドリルが欲しいのではない。
4分の1インチの穴が欲しいのだ。」

というもの。

ドリル以外に4分の1インチの穴を開ける
もの(=代替品)があるのなら、
人びとはドリルを買わなくなるかも
しれないわけで、ドリルを売る側と
しては常に代替品から市場を奪われる
リスクと隣り合わせ
なのである。

代替卵から、話が大分飛躍してしまった
が、元に戻そう。
代替することで、代替される側が満たし
切れていなかったニーズまで満たせる
商品として、代替卵は大きな可能性を
秘めている
様子。
ベジタリアンの方のニーズ、
アレルギー持ちの方のニーズ、
それらをきっちり捉えることで、
しばらく市場は急拡大を見せるのでは
なかろうか。
要注目である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。