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コンビニで「付録付き本」が売れているらしい

雑誌に広告を出したり、
PRスペースをいただいてそこで
商品のアピールをしたり。
そんな仕事によく関わっていたのは
10年以上前のこと。

今や、雑誌はすっかり鳴りを潜め、
発行部数が当時の何分の一という
状況だ。
代わりに、消費者が情報源にしている
のは、ネットである。

しかも、Instagramのような雑誌的な
メディアもあれば、YouTubeやTikTok
のような動画メディアもあって、
よりどりみどりだ。

最新のものをすぐに見られる即時性
検索すればすぐ必要なものに到達する
機能性あるいは効率性
費用が余計に掛からない合理性
紙の雑誌が勝つのは至難の業だろう。

雑誌が最後の輝きを見せていたと
思われる当時、宝島社がすごい勢いで
ViViやCanCamといった「旧世代」を
凌駕していた。
そして、それは彼らの「おまけ」戦略
の成功によるところ大だった。

雑誌本体の価格よりも価値があるの
ではないか?というようなグッズを
探して来ては、雑誌に付録として封入。
その「おまけ」が欲しいばかりに、
雑誌の購読者数がグングン伸びていた
のが懐かしく思い出される。

その、「おまけ」戦略を、落ち目の
雑誌ではなく、「マルチメディア商品」
という、分類上は「本」になる商品で
活用
し、成果を挙げている事例を
日経Web版で見かけて驚いた。

いわゆる「食玩」は、おまけがメインで
食べ物自体はサブ的な扱いながら、
一応「食品」として扱われ、
スーパーやコンビニで販売される。

正にそれと同じような仕組みで、
「マルチメディア商品」は、おまけが
メインで冊子(本)はサブ的な扱いながら、
一応「本」として扱われるものだ。

「本」なので、元々は書店中心に取り扱い
されていた様子。
それを、4年ほど前からコンビニを販路と
して強化する策に出た。

『天使の深睡眠マクラBOOK』という
商品は、シリーズ累計130万部というから
恐れ入る。

確かに、「なぜコンビニに枕?」と何度か
不思議に感じたことを思い出したが、
そこまで売れているとは思わなかった。

上記記事の中で、「確かに!」と思ったのが、
日経クロストレンド・皆川編集長の以下の
コメントである。

「コンビニはスーパーに比べて、富裕層や感度の高い人が比較的多い。」

「コンビニを訪れるユーザーは、値段よりも、欲しいか欲しくないかを重視して購入する人が多い。本当に安さだけを重視するなら、スーパーで見切り品のコーナーを見たり、100円ショップでより手ごろな商品を探したりするはず。(中略)わざわざそうした品質の高いものを求めて来店するユーザーが集まりやすい

コンビニは、その名の通り「便利さ」を
ウリ
にしている。
品揃え的に、ドラッグストアやスーパーと
競合するが、価格面では分が悪い
代わりに、いつでも開いている、家の近くに
ある(可能性が高い)、店内導線が短く済む、
といった「便利さ」がチャネルとしての強み
と言える。

それゆえ、多少高くても、
必要なものであれば買ってくれる、
納得できる品質なら買ってくれる、
そういう販路特性を持っているのだ。

そこに気付いて、コンビニ各社の売場に
並べる提案を行い、実際に成果を出した
宝島社の、お客様に対する「アンテナ」
の立て方
がとても素晴らしい。
全体的に良記事ゆえ、是非ともご一読を
お勧めしたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。