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「カイシャ」という「モンスター」との付き合い方

昭和時代の価値観が、平成時代の間に
大きく揺さぶられ、令和時代に入って
どんどん新しく作り替わっていく。
そんな日々が続いている実感がある。

大きいことはいいことだ。
多いこともいいことだ。
成長するのが当たり前。
大きな会社に入れれば一生安泰。

どれもこれも、今や常識とは言えなく
なっている。
私自身、5度の転職で6社目に勤め、
僅かながら副業も持っているという
ことで、今の変化は比較的すんなり
と受け止めているし、時代と共に
歩めるよう努めてきたという気持ち
もある。
しかし、同世代以上で大手企業に
入った友人たちは、やはり勤務先の
カルチャーに多大な影響を受けて
いるせいか、今そこここに見え隠れ
する「破壊的変化」に対して、割と
のんびり構えているように見える
ときがある。

サイボウズを創業した青野慶久さん
は、年齢で言うと私の一つ上。
大学卒業後に松下電器工業、
今のパナソニックに入社し、3年で
自らのやりたいことを見つけて
起業したという、特に我々の年代
では珍しいキャリアの持ち主。

そんな青野さんの本を読むという
宿題があり、Kindleで手に取った
のがこの一冊。

世間でもずっと注目されていて、
ファンも多い青野さん。
しかしながら、ついぞその著書を
読む機会がなかった。
文字数が少なく、とても分かり
やすい言葉で語ろうとする著者の
思いがストレートに伝わってくる
ような、サッと読める本だが、
色々と考えさせられる、内容の
濃い本だと言える。

会社は楽しくなくて当たり前。
お金を稼ぐのだから、大変で
苦しいのが当たり前。

いつの間にか、そんな前提を持って
いる人が多いのではないか?
私自身も、やはりそのように考えて
いる部分があった。
しかし、青野さんは、そんな常識は
もはや捨てるべきだという趣旨の
お話しをされている。

新卒でも転職でも、面接を受ける際に
そこで働いている人に、

「カイシャは楽しいですか?」

というシンプルな質問を投げかけて
みると良い、そう青野さんは勧めて
いる。
即座に「楽しい」という答えと、
その理由が淀みなく出て来るような
社員が沢山いる会社は、間違いなく
働いて楽しい会社だろう。
逆に、社員が答えに詰まるようなら、
それは要注意。

Can(できる)とMust(やらねば
ならない)とWill(やりたい)、
三つの円が重なるところで仕事を
すべきという論は、最近どこでも
聞くようになったが、青野さんは
もう随分と前からこのような考え
を取り入れて、自社で展開、実践
されてこられた。
この本の中では、あえてなのか、
Canなどの英単語は使わずに説明を
されている。

給料も大事だが、それ以外の報酬
も大事、そして自らが生き生きと
働ける報酬の得られるところで、
誰もが働くことのできる社会へと
どんどんと近付いていくのが、
この令和という時代。
そんな社会に近付けていくために
自分も微力ながら何かできないか、
そんなことを思わせてくれた
のであった。

ちなみに、カタカナで「カイシャ」
としているのは、この本の中で
青野さんご自身がそうしていたの
に倣ってである。
あえて普段使っている言葉とは
違う言葉を使うことで、従来の
偏見を捨ててイチから考え直して
みてほしい、そんな意味を込めた
表記を私も使わせてもらった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。