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亀戸 升本のお弁当を食べてみた

以前に、友人である竹下大学さんの
『日本の品種はすごい』
という本を紹介したことがある。

品種改良などを通じて、新しい
植物を作り出す「ブリーダー」

いう職種があって、竹下さんは
新卒で入社したキリンでその職種に
就かれていた方。

2004年には、All-America Selectionsが北米の園芸産業発展に貢献した品種を育成した育種家に贈る「ブリーダーズカップ」の初代受賞者に、世界でただ一人選ばれた。

上記サイトより引用

この本では、副題に
「うまい植物をめぐる物語」
とある通り、おいしさを向上させる
ために品種改良を行ってきた物語を
7つの植物について紹介している。

そのうちの一つが、ダイコン

そして、そのダイコンの章に、
亀戸の割烹、「升本」が登場する。

こちらのサイトにも詳しく説明が
ある通り、升本では「亀戸大根」
料理して供してくれる。
江戸伝統野菜で、今では「幻の大根」
と呼ばれる希少なダイコンなのだ。

本を読んでからというもの、
この升本で食事をしてみたいと
思っていたものの、
わざわざ亀戸あるいはその周辺に
いく用事がない。

お弁当でもいいから食べてみたいと
思って、お弁当取扱店のところに
名前のあるスーパー「ザ・ガーデン」
に行ってみたこともあるが、
残念なことに空振りしてしまい、
ずっと食べられず仕舞い。

最近、学生時代の先輩と雑談して
いたら、升本からお弁当を調達して
お昼の会議時に食べたという話を聞き、
なるほど、配達で頼むという技が
あった!
と思ったところ。

会社で、会議室に二日間缶詰になり
トレーニングをした折、一日目の
お弁当が何と升本!
遂に御対面!ということで、
思わず小躍りしてしまった。

ついに対面が叶った升本のお弁当。
件のダイコンのお漬物が、
ご飯の上に二切れほど乗っている。

亀戸大根のストーリーを知らなければ、
何のことはないごく普通の漬物だと
いう程度の認識で見過ごすところ。

しかし、私は二切れ共に、
じっくりと味わいながら、
有り難く余韻に浸らせてもらった。

お弁当のこだわりの中身を、
このように懇切丁寧に説明した
小さな紙片
が添えられている。

ほとんどの人は、サッサと捨てて
顧みないだろうが、このお弁当を
食べてしみじみ美味しいと感じた
人たちは、きっとこの紙片を読み
返して、美味しさの背後にある
理由に納得するに違いない。

ただ口からモノを入れて、
消化器官で消化するのではない。
モノの背後にあるストーリーを
脳で味わいながら食べている感覚

ちょっとした知識を
事前に頭に入れておくだけで、
たかがダイコンであっても、
これほどまでに味の違いに敏感になり、
美味しさが増幅する。

マーケティングコミュニケーションが
やるべきことは、正にこれ。

商品のストーリーを正しく伝え、
その価値を増幅させることで
お客様に喜んでもらい、
結果自分たちも潤う。

升本のお弁当、是非またありつける
機会があることを期待したい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。