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味を変更する難しさ

もう軽く10年以上経つと思うが、
何を隠そうクリーム玄米ブランの
ファンである。
いや、ファンだった。
お手頃価格で、それなりに腹持ちが
よく、小腹が空いた時のおやつにも
なれば、体が重いときの一食をこれで
代替することもできて、大変重宝して
いる。

これまでに、
何度もパッケージをリニューアルし、
様々な味のバリエーションを出し、
更にはブラウニータイプという高級
版まで出していて、ほとんどの味、
バリエを試して来た。

最近、このクリーム玄米ブランが
パッケージをまた変えた。
単なるお着替えだと思っていたが、
食べてみたら味も変わっている。
しかも悪い方に。
食感がモサッとしてしまい、
明らかに味が落ちた。
少なくとも私にとっては。
素材のコストダウンを図ったに
違いないと、私は踏んでいる。

食品は、味を変えるとリピーターが
すぐに反応して、売上に大きな影響が
出ること必至。
きっと綿密に調査をして、味が美味しく
なったとか、少なくとも以前からは
変わっていないという結果を得た上で
発売開始したであろうはずなのに。

コカコーラが、ニューコークを出した
時に強烈な反対運動が起こり、
すぐに味を元に戻した話は、
聞いたことがある人も多いだろう。

事前に綿密な調査を行なって、
ほとんどの対象者が新しい方の
コークをより美味しいと感じた、
それを踏まえて大々的に発売開始
したにもかかわらず、
「オレたちのコークを返せ!」
の大合唱にさらされた。
そして数日後、社長は平謝りの上、
元のコークに戻すことを発表した
というエピソード。

このケースは、コークの味が愛飲者の
気持ち、思い出と分かち難く結び
ついていたがために、
味を変えると聞いただけで長年の
ファンがヒステリックに反対、
炎上してしまったもの。

今回のクリーム玄米ブランとは
スケールが違うし、そもそも味が
不味くなったと感じているのは
私を含む0.1%しかいない、という
可能性もあり得る。
つい、自分が消費者の代表であるかの
ような錯覚に陥るのは、マーケター
としては厳に慎むべきもの。

実際のマーケットがどう反応するのか、
しばし様子を見ようと思う。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。